SIDE:A
第十話
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か命取りになるだろう。忍は一事が万事を地でいく世界なのだから。
アカデミーに通い始める前から汐音を通じて、シカマルたちと時たま遊んだり、修行の相手になったりと交流を持ってはいた。しかし、俺個人も修行があったりするため必然的にシカマルたちと一緒にいられる時間は限られている。
もう少し、シカマルやシノたちと一緒にいられる時間が欲しいなと思っていた俺にとって、アカデミーは意外と有意義な場所だった。これは嬉しい誤算だな。
それに、ヒナタとも一緒にいられるしな!
「修行の方はどうだね?」
「順調ですよ。体術はガイ師匠に師事してから、最近になって父から一本取れるようになってきましたし。術の方も開発は順調です」
「……君が作る術はなんというか、凄まじいものが多いからな。作るのもいいが、あまり禁術指定になりそうなものは控えなさい」
「ええ、わかってます。まあ、禁術指定の術を使っても未だにクーちゃんには勝てませんけどね」
体術のみならそこそこ追いつめることが出来るけど、術もありとなるとまったく歯が立たない。
禁術指定のオリジナル忍術を使っても簡単に避けられるし。やっぱりクーちゃん強すぎ。本人曰く、五影が束になって掛かってようやく互角らしいし。
「ほほ、当然じゃ。妾を誰と心得る? 九尾の大妖狐ぞ」
誇らしげに胸を張るクーちゃん。豊満な胸がぼよん、と大きく揺れた。
「まあ九尾殿が相手では致し方あるまい。むしろ、その歳でミナトから一本取れるのはすごいことなのだぞ?」
「そうは言いますけど、しょせんは模擬戦ですし。実戦ではまだまだ足元にも及びませんよ」
「経験がものをいうからな、それはしょうがない。ハルト君も忍になればすぐに上忍に昇格出来るだろうし、焦ることはない」
朗らかにそう言うヒアシさん。まあわかってはいるけど、負けっぱなしというのもやっぱり悔しいのだ。
「――失礼いたします」
ふすまの向こうから凛とした声が聞こえてきた。
一泊置いてスッとふすまが横にスライドすると、妙齢な女性が膝をついていた。
丁寧な所作で頭を下げた女性は俺たちを見ると、ニコッと微笑んだ。
「お久しぶりですねハルトくん、汐音ちゃん、狐さん。ようこそいらっしゃいました」
「ミオさん」
「こんにちはおばさん!」
「うむ。壮健なようじゃな」
淡い桜色の着物を着た女性は日向ミオさん。ヒナタとハナビの母でヒアシさんの奥さんだ。
ヒナタをそのまま大人にしたら多分こうなるんだろうな、と思うほど親娘の顔が似ている。
長い黒髪をうなじ辺りで団子状
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