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NARUTO〜サイドストーリー〜
SIDE:A
第十話
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人の顔に俺も表情が和らぐ。


「こんにちは松さん。お邪魔しますね」


「お邪魔しまーす!」


「邪魔するぞ」


「はい、お久しぶりです若様。皆さんもお変わりないようですね。ようこそいらっしゃいました」


 ヒナタの婚約者だからか、宗家の人たちは俺のことを若様と呼ぶ。始めは気恥ずかしかったが今では流石にもう慣れたものだ。


「姉上は修練場ですか?」


「はい。ヒアシ様もそちらにおられます」


「わかりました」


 俺たち一行を朗らかな笑顔で迎えてくれた松さんはからヒナタとヒアシさんの場所を聞き、そちらに向かった。


 修練場というのはいわば道場であり、離れに作られている。広さは大体五十メートル四方。ここの存在を知った当初はどんだけ日向の敷地は広いんだと声を大にして言いたかった……。


 すれ違う人たちと挨拶を交わしながら埃一つない渡り廊下を歩いていると、修練場の扉を超えて威勢の良い掛け声が聞こえてきた。


「やってるな」


「ですね」


 声はヒナタのもの。今日もヒアシさんに稽古をつけてもらっているのだろう。


 引き戸を開けて中に入る。木の板を使用した床の上を滑るように移動しながら、二人の親子が組み手を行っていた。


 方や白眼を展開させて掌底や蹴りなどを流れるように繰り出すヒナタ。そして、もう片方は白眼も使わずに涼しげな顔でかわし続けるヒアシさん。余裕綽々の表情で紙一重で回避する様はまさしく柳に風。


「ただいま戻りました父上」


「――ハナビか。ヒナタ、今日はここまでにしよう」


「はぁ、はぁ……。は、はい。ありがとう、ございました」


「うむ」


 肩で息をしながらヘトヘトな様子で一礼するヒナタに頷き返すヒアシさん。


 振り向き俺たちの姿に気がつくと、表情を和らげた。


「おお、ハルトくんか。汐音ちゃんと九尾殿も。久しぶりだね」


「ご無沙汰しています、ヒアシさん」


「こんにちはおじさん!」


「久方ぶりじゃの」


 ペコッと頭を下げると苦笑したヒアシさんが肩に手を置いた。


 そして、毎度お馴染みのあの台詞を投げかけてくる。


「ハルトくん、私のことはお義父さんでいいと言っているだろう? 私は君のことも本当の息子だと思っているのだから」


「ねえねえおじさん! 汐音は!?」


「もちろん汐音ちゃんもヒナタやハナビ同様、娘のように思ってるよ」


 汐音の頭を撫でながら柔らかい口調でそう言うヒナタパパ。


 なんかヒアシさんに気に入られているっぽい俺は日向家にやって来るとこのように声を掛けら
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