SIDE:A
第十話
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っと喜びますよ」
そう言われると行かざるをえないじゃないか。まあ嫌じゃないけど!
そういえばヒナタは今何してるのかな?
「姉さんですか? 姉さんなら父様と稽古ですよ」
「ヒアシさんか」
そういえばヒアシさんには最近顔を見せていなかったっけ。あの人には俺も昔からお世話になってたし、久しぶりに俺も稽古つけてもらおうかな。
ヒナタと俺が正式に顔合わせをしたあの日からヒアシさんには本当によくしてもらっている。なにやらヒアシさんは俺とヒナタをくっ付ける気が満々らしく、半年前から稽古をつけてもらっていた。とはいっても組み手の相手をしてもらうだけだが『日向は木の葉最強』を謳う日向家の当主は父さん並みに強く、ぶっちゃけ体術のみの組み手だと勝敗は三割といったところ。木の葉最強は伊達じゃないわ。
日向が修めている日向流柔拳は経絡系を見抜く白眼があってこそ本領を発揮する。白眼を持ってない俺も軽く柔拳の基礎を習ったけど、なんというか中国拳法の八卦に似た動きなんだよな。もしかしたら原作の元ネタは中国拳法から来てるのかもしれない。
まあ当主であるヒアシさん直々に教わったおかげで、オリジナルの柔拳技をいくつか習得できた。機会があれば見せようと思うがぶっちゃけ殺人術に分類されるから軽々しく見せれないのがネックなところ。文字通りの"必殺"技をヒアシさんや父さん、ガイ師匠に披露したら口を揃えて実戦以外での使用を禁ずるって言われたくらいだし。まあ結構えぐい技だからなアレ。
「んー、じゃあお邪魔しようかな」
「決まりですね!」
さあ行きましょう行きましょう!と汐音と俺の手を取って走り出す。そのはしゃぎっぷりに苦笑を漏らし、可愛らしい妹分の後に続いた。
† † †
大きな門を潜ると立派な家が姿を現した。武家屋敷のような平屋建ての家だ。
日向一族宗家、ヒナタとハナビの家であり、お手伝いさんも含めて宗家にはいつも十人以上の人がいる。
「ただいま戻りました」
それまでの活発な言動がなりを潜め、楚々とした仕草で戸を開ける。日向の姫君として相応しい教育を受けてきたハナビは家の中限定で淑女と化すのだ。外だとお転婆娘になるけれど。
丁度その場に居合わせていたお手伝いさんの女性がハナビに気が付くと、その場に膝を着き深く頭を下げた。
「お帰りなさいませハナビ様。……あら? 皆様もご一緒なのですね」
お手伝いの女性――松さんはハナビの後ろで佇む俺たちの姿に気が付くと小さく目を開くと、ふっと表情を緩めた。
懐かしい
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