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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
697部分:第百一話 赤い爪の光その三

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第百一話 赤い爪の光その三

「貴様の様な者と闘えたことはだ」
「誇りか」
「何があろうと忘れることはしない」
 やはり彼も相手を見据えている。その死にゆく戦士を。
「決してだ」
「その言葉嬉しく思う」
 最後に微笑んだ。そうして。
「さらばだ」
 この言葉と共に姿を消したのであった。後に残ったのはサタナキアの戦衣だけだった。それは魔神の姿を作ってそれまでサリアがいた場所に着くのだった。
 ミロはそこまで見届けてだ。静かに言った。
「アーレスの戦士、見事だ」
 こう言って先に進むのだった。アーレスの下へだ。
 そしてだ。これを感じ取った者達がいた。ミロの勝利をだ。
「勝ったようじゃな」
「そうだな」
 シオンは先に進みながら童虎と精神で話していた。
「どうやらな」
「まずはミロじゃな」
「そしてだ」
 シオンはさらに言った。
「ミロだけではない」
「他の者達もじゃな」
「そうだ。皆勝利を収める」
 そうなるというのである。
「当然私もだ」
「神に勝つのじゃな」
「神の先の先を読む」
 シオンはまたこの言葉を出してみせた。
「ハクレイ様と同じくだ」
「そうじゃな。それができるからこそ」
「教皇だ。例えアテナがおられずともだ」
 それでもだと。言葉ははっきりとしていた。
「勝つ」
「そうじゃな。しかしわしはじゃ」
「おそらくは向こうから来る」
 彼に関してはそうだというのだった。
「案ずることはない」
「そうか。自らか」
「闘うな」
「無論じゃ」
 童虎も考えははっきりとしていた。
「この世の為にじゃ」
「若し敗れれば世界はない」
 人の世は、という意味だ。
「わかっているな」
「わかっていなければ今こうして話をしてはおらん」
「先のアーレスとの戦いではライブラの武器を使ったが」
「今は使えぬ」
「だがそれでも勝利を収める」
 それでもだというのだ。
「何があろうともだ」
「先の戦いではライブラの武器を持っているからこそ勝利を収めることができた」
「覚えておるか」
 不意にこんなことを言ってきた童虎だった。
「あの時のことは」
「思い出したと言うべきか」
 これがシオンの返答だった。
「かつてのことを」
「左様か。御主もまた」
「思い出した。あの時もあの者達はいた」
「我等の弟子にして古い友達がな」
「名前は違えど心は同じだ」
 違うのは名前だけだという。しかしその他はというのだ。
「全てはだ」
「うむ、同じじゃな。完全に」
「ハーデスとの聖戦では別れることになってしまった」
 シオンの今の言葉には悔恨が宿っていた。

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