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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十九話 疑惑の視線
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「…………橘、後で先生と一緒に来なさい」

「?はい」

点呼の際に全は先生に一緒に来いと言われた。全自身呼ばれる案件などあったか?と疑問だったが、とりあえず朝のHRを終わってから先生と共に教室を出て、ある教室へと入っていった。

そこは「生徒指導室」。

(?なぜ生徒指導室?俺は何もした覚えがないんだが……)

全は未だに疑問に思いながらも先生の後を追って生徒指導室に入り、先生と向かい合って座る。

「橘……」

「は、はい……?」

「こんな事言いたくはないんだがな……お前、もう少し周りとのコミュニケーションを考えて取れ。それかもう少しましな対応をしろ」

「…………は?」

訳が分からない。それが全の最初の感想だった。

「あ、あの、先生?どういう事か分かりやすく説明してほしいんですけど……」

「自覚がないのか?……お前の対応の悪さがこの学校にまで影響を及ぼしているんだ」

「対応の悪さ……?」

何に対しての対応だ?と全は疑問に思ったが、この学校にまでという先生の言葉で察した。

この学校にまでという事はその話の出所は学校ではない。つまり、町からという事だ。

「それは、商店街などからの苦情、ですか?」

「まあ、聡明なお前の事だ。それ位気づくよな……いやな、俺もお前がそんな悪い対応をするとは考えられないんだ。普段のお前を見ていると特にな。だから、これは確認だ。お前、店の前で舌打ちとか、小言で店の悪口とか言ってないよな?」

「言う訳ないじゃないですか!」

全は思わず椅子が倒れるのも気にせずに荒々しく立ち上がる。

「俺は商品を買っている側なんですよ!?そんな自身のストレスの捌け口にするような真似!!」

「わかった、わかった。そうだよな、とにかく落ち着け。これはあくまで確認だ」

先生は手でどうどうと抑えろ言ってから席に座れと促す。

全も少し落ち着きを取り戻すとすいません、と謝ってから椅子を戻し座る。

「だが、実際にそういうのが後を絶たないんだそうだ。結構昔からな。遂に学校にまでどうにかしてくれと商店街の会長さんから頼みに来られたんだ」

「俺が……昔、から……?」

「ああ。お前、両親がいなくて一人暮らしだろう?お前が一年の頃からそういう話はあったらしいんだが……」

「俺が、一年の頃から……?」

いや、それはおかしい。だって、一年の頃って……と全は思った。なぜなら全はまだ自身の心の殻の中に閉じこもっていた時期だ。

表面に出てきた事も一度もなかった。

そしてもう一つありえない事。昔からという事だ。

一年。つまり、まだ紗華だった頃。紗華は学校では最悪だったが、逆に商店街などでの評判はよかった。


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