ガンダムW
1555話
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ったんだが?」
チクリと牽制。
だが、その言葉を聞いてもトレーズはおろか、レディ・アンまでもが表情を変える様子はない。
まぁ、この二人……いや、レディ・アンはどうか分からないが、トレーズはゼクスから俺の話を聞いている筈だ。
そう考えれば、この程度の牽制は予測済みなのだろう。
「ふむ、それは恐らく間違った情報だろうね。だが、今回の会議にOZを率いる私や、副官のレディが出るのだから、その話は必ずしも間違っていないだろう? ……そう言えば、アクセルとレディは初対面だったかな?」
「レディ? さっきから俺を睨み付けているその女か?」
「うん?」
俺の言葉にトレーズはレディ・アンへと視線を向ける。
そしてトレーズに視線を向けられた瞬間、レディ・アンの表情は柔和なものへと変わった。
この辺の態度の代わり方は非常に素早いと言ってもいいが……それでも、トレーズにはそんなレディ・アンの態度は理解していたらしい。
「レディ、アクセルは私の良き理解者だ。それは君も理解出来ていると思うのだが」
「すいません、トレーズ閣下。……アクセル代表、申し訳ありませんでした。以後気をつけます」
敬礼と共にレディ・アンがそう告げるが、それはあくまでもトレーズが言ったからそのような態度を取っているだけであり、実際には俺に対する敵意を隠し切れてはいない。
いやまぁ、レディ・アンにとって俺という存在が邪魔なだけである以上、それは当然なのだろうが。
……今回の件もあって、これからは俺に対して刺客を送り込んでくる可能性も十分にある、か。
そんな奴が来たら、捕らえてOZとの取り引き材料とさせてもらうだけだが。
ああ、意外と俺じゃなくて凛や綾子の方に刺客を送ってくる可能性もあるか。
あの2人の能力は、そんなに知られていないし。
「すまなかったね、アクセル代表」
「いや、次から気をつけてくれればいいさ」
俺に頭を下げるトレーズ。
それを見ているレディ・アンの目には、隠しきれない憤怒の色が宿っている。
まぁ、トレーズがゼクスを褒めたり感謝しただけで、嫉妬から作戦をねじ曲げるような性格だ。
そう考えれば、トレーズに頭を下げさせた俺は絶対に許せないのだろう。
「トレーズ閣下、そろそろ会場の方へ……」
「うん? ああ、もうそんな時間なのか。アクセルと話す時間は楽しいのだが、楽しい時間程すぐに去ってしまうというのは辛いものだね。……では、また会おう」
「ああ。またな」
また、の部分に力を入れて告げる俺に、トレーズは優雅に笑みを浮かべ、レディ・アンは視線に力を入れて俺の方を見てくる。
明らかに今日何かが起きると、そう知っているかのような態度をこれ見よがしに見せつけたのだが、トレーズはそんな俺の
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