第20話 復讐は止められない
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「貴様の相手は俺だと告げたはずだが?暗殺者っ!」
アヴェンジャーは拳に顕現させた黒炎を撃ち放つ。
それを暗殺者は躱し続け、最後の黒炎目掛けて手榴弾を投げ放つ。
勿論両方がぶつかると同時に爆炎と煙が両者の間を包む。
暗殺者はそれを目晦ましに、あくまでもヒカル達を狙う。
しかしその狙いにアヴェンジャーが気付いていない筈も無く、高速戦闘を得意とするので、いつの間にか暗殺者の後方に回り込んでいた。
されどそこは気配を探知するのも上手い暗殺者。
振り向きもせずに自分の後ろに向けて、今度はピンを外して手榴弾を投げ打つ。
だがアヴェンジャーは手榴弾が爆発する前に手の甲で宙に打ち上げる。そのまま爆発に気にも留めずに暗殺者に向けて蹴り放つが、それをガードで防がれる。
しかも暗殺者は蹴りの衝撃を利用してヒカルを狙おうとするが、両者の間に出現した黒炎の壁に気付いて無理矢理足を止める。
「これは・・・」
両者の間に出現した黒炎の壁は上と左右に一瞬にして燃え広がり、暗殺者とアヴェンジャーのみを包み込む即席のバトルフィールドとして顕現した。
「先の煙、何のために俺が直線で突っ込まずに回り込んだと思っている?このデスマッチを造りだし、確実にお前を逃がさないためだ」
「・・・・・・・・・・・・」
「抜け出す方法は複数あるが、この黒炎を消すだけの火力がアサシンである貴様に果たしてあるのか?あの手榴弾では話にならんぞ」
暗殺者を嘲笑う様に不敵な笑みを浮かべるアヴェンジャー。
しかし自分への嘲笑を気にもせず、銃を向ける。
「なら即座に貴様を始末して、あの少女の追跡を再開するだけだ」
「上等っ!!」
此処に、守護者と悪の死闘の火ぶたが切って降ろされた。
そして黒炎リングの外ではアステリオスがヒカルを促していた。
「ひかる。いまのうちに、いこう」
「でも先生が・・・」
「あヴぇんじゃーはいちどきめたら、ぜったいにやめないよ。ひかるなら、わかるでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・うん。わかった」
決心したヒカルを自分の肩に乗せるアステリオス。
しかし彼らを制止する声がまだ残っていた。
「待ってヒカルちゃん!」
「師岡君。これ以上私に関わらないで」
「え・・・」
「私と関ったら師岡君は絶対不幸になる」
「そ、そんな事――――」
「それに私は復讐を止められないの。だから――――」
「だったら僕も手伝」
「貴方はもう、必要ない。行って、アステリオス」
少年の制止も空しく、ヒカルの言葉に従うアステリオスは夜闇に溶け込むように駆けて行く。
そして――――。
「・・・・・・
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