第20話 復讐は止められない
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お辞儀をしようと振り向いた先にヒカルの背後から赤い外套者が彼女目掛けてナイフを振り降ろそうとしている光景を視界に入れることが出来た。
アステリオスは即座に霊体化を解き、片方のラブリュスを力任せに暗殺者目掛けて横薙ぎした。
暗殺者は偶然という不運に舌打ちをしつつ、バックステップでラブリュスを躱しながら銃弾の嵐をかます。
「ウォオオオオ!!」
アステリオスは躊躇なくヒカルの前に出て、銃弾を防ぐ盾となる。
いくら宝具扱いとなった銃でも、神秘も低い上にアステリオス自身の耐久値も高いので、小石の雨をぶつけられているのと変わらない。
勿論それは撃ち続けている暗殺者も解っている。
暗殺者の狙いは銃弾を浴びせると同時にさりげなく転がせた手榴弾である。
狙いは勿論アステリオスでは無く、マスターであるヒカルだ。
聖杯戦争におけるアサシンの基本戦術は、他のサーヴァントと正面から戦う事に非ず。
影からの奇襲不意打ち騙し討ちに徹して、マスターを殺す事によって勝利をもぎ取る戦法だ。
まあ中には基本から外れて、真っ向からセイバーと鍔迫りあったりするアサシンや、浮遊移動要塞を足として使うアサシンが存在するが、この暗殺者は基本から漏れ出てはいない様だ。
(あと、2秒)
時間を稼ぎつつ、足元の手榴弾近くに釘付けにさせる為、直もマシンガンによる銃弾を討ち続ける。
(あと、1びょ)
「――――ォオオオオオオラッッ!!」
ヒカルの足元に手榴弾が爆発する直前、ギリギリのタイミングで駆けつけて来たアヴェンジャーが手榴弾を蹴り上げる。
そして蹴り上げられた上空で爆発、辺り一帯を余波と光が広がった。
「せ、先生っ!」
「あヴぇんじゃー!」
「無事だな、2人と」
「何今の爆発音は!?」
アヴェンジャーとの合流を喜ぼうとしたところに、流石に騒ぎが大きすぎたのか、モロが慌てて家から飛び出して来た。
「師岡君!?」
「ヒカルちゃんって、誰この人達!?」
いろいろ独創的な格好の面々に驚くモロ。
彼らから無意識に発せられる殺気やプレッシャーに物怖じしないのは、百代と一緒に居る事でその手の事に感覚がマヒしているからである。
しかし驚いているモロに対して、当人たちは関与する気は無い様だ。
アヴェンジャーはヒカルに携帯機器を投げ渡す。
「これは?」
「そこにマップがある。それを辿ればお前の標的たちが今集められている場所に行けるはずだ」
「え?」
「行け。コイツは俺が始末する」
「行かせるとでも?」
モロと言う一般人の前で躊躇なく銃弾の雨を浴びせかかる暗殺者。
それをアヴェンジャーはヒカルとアステリオスの前に割って入って、黒炎で全て蒸発させる
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