695部分:第百一話 赤い爪の光その一
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第百一話 赤い爪の光その一
赤い爪の光
ミロの小宇宙が高まる。これまでにない程に。
「小宇宙を高めてきたか」
「技には小宇宙が必要だ」
こう返すミロだった。声だけのサリアにだ。
「だからこそだ」
「神に匹敵する小宇宙だな」
サリアもまたミロのその小宇宙をしかと見ていた。そのうえでの言葉だった。
「まさにな」
「貴様のこの技もまた」
暗闇はまだ続いている。それが消えることはなかった。
「神の域に達しているものだ」
「ふふふ、残念だが四闘神の方々の力は私のそれではない」
それ以上だというのだ。
「私なぞ。あの方々に比べればだ」
「力は微々たるものか」
「そうだ。だがスコーピオンよ」
またミロに対する言葉であった。
「貴様を倒すことはできる」
「このミロをか」
「さあ、消えるかそれとも」
「消えはしない」
それはないというのだ。
「そして」
「そしてか」
「破れるのはだ」
サリアに対する言葉だった。
「貴様になる」
「言うものだな」
「この闇もまた」
言いながらその小宇宙を高めてだ。一気に放出してきた。
「何っ、小宇宙を!?」
「おおおおおおおおおおっ!!」
ミロにしては珍しく絶叫していた。
「闇を払うもの、それはだ」
「まさか。その小宇宙によって」
「聖闘士の小宇宙は光」
ミロはまた言った。
「そしてだ。我等黄金聖闘士のこの十二の聖衣は黄道にある」
「あの太陽の道だな」
「そうだ、そこにあるのだ」
ミロはこう語る。
「その太陽の輝きを常に受けている我々の小宇宙にとっては闇なぞだ」
「果たしてそういくか」
だがサリアもまた己のその闇に絶対の自信を見せるのだった。
「その光ですらだ」
「退けられるというのだな」
「それを今見せてもらおう」
サリアの声の中にある自信は変わらない。それはまさに普遍のものだった。その普遍の声はそのまま闇と同化しているとも言えた。
「貴様の光か、私の闇か」
「どちらが勝つか、か」
「若し私が勝てばだ」
サリアはまずそこから話した。
「貴様はそのまま闇の中に飲み込まれ。そして」
「消える」
「そうなる」
まさにその通りという。その話の間にもミロは小宇宙を放ち続ける。黄金の小宇宙はまさに光そのものとなり闇を退けようとしている。
「貴様が勝てばだ」
「このミロがか」
「そうだ。そうなればだ」
サリアは続いてミロが勝利を収めた場合について語ってみせた。そのケースも語ってみせたのは自信だけではない。そこには公平さもあった。
「私が倒れる時だ」
「貴様がか」
「そうだ。そうなる」
まさにそうだというのだ。
「私の最大の技だが」
「それを破
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