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鋼殻のレギオス IFの物語
第二章 【Nameless Immortal】
参 振り下ろされた兆し
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れだとボクは厳しそうかな。ちょっと気になりはするけれど」

 辛子をこれでもかと撒けた赤い饂飩に赤の追加オーダーをカノンはする。
 ちなみに今日、わざわざカノンの為に三人が集まったのは昨日の事故に対する対価の支払いをきちんとするためだ。
 カノンのバイトを探す関係上、この三人の存在が重要にもなる。

「内容にもよるだろうし、確認するだけしてみようよ。僕の分としてはそれでもいいし」
「そうだな。ただ、カノンに関してはここの三人で探すしかない」
「一人で行っても追い返される可能性が高いしね」

 バイト誌の類もあるが、あれの殆どはある程度の長期採用が前提だ。
 それに来訪者を雇うくらいならツェルニの学生を雇った方が信頼性はある。
 カノン一人でバイトを探しに行ったところで渋られるか教務課の対外窓口の斡旋に行けと言われるのがオチだ。

 時間効率を考えるなら、此処の学生である三人からの紹介が楽である。
 信頼性の面からも、最初の一つ二つ程度は三人の誰かが付いている必要があるかもしれない。

「私も幾つか伝はあるが……ちなみにだが、カノンは何かやってみたいバイトはあるのか?」

 更なる赤の追加オーダーを仕掛けていたカノンの手をニールが掴んで止める。
 
「むむぅ……何でもいい、って所だけど、希望を言えるならある程度人と関われる仕事が良いかな。皆と一緒にやれるって、楽しそうだからね。それか珍しい仕事」
「珍しければ良いなら幾つか知ってるぞ。まあ、見て呉れ採用のとこもあるだろうし短期でも行けるだろ」
「取りあえず何とかなりそうだね」

 もぐもぐと四人は各々の昼食を食べていく。

「観光の方はどうする?」
「バイトの方の目途がつき次第だな。道中の移動がてら見る程度だろう」
「なら明日の対抗試合は? ああいうのってそこそこ珍しいと思うけど」

 サンドイッチに刺さっていた楊枝を指先で遊びながらレイフォンは言う。
 少し前、汚染獣対策で野戦グラウンドに赴いた時のリントやカリアンの発言もあり少し気になっていた。
 十七小隊が明日出る事は無いだろうが、観光としてはまずまずだ。
 
 武芸者による試合やそれを用いた興業的な催しは大抵の都市にある。だが純粋な力試しの類が多い。
 勿論、多人数による試合もあるだろう。地形を利用したものもあるかもしれない。
 しかしその両方を用いた競技形式は学園都市以外では少ないだろう。

 ルシルが頼んだ唐揚げを楊枝でそれとなく狙いつつ、レイフォンはカノンに対抗試合の概要を話す。
 案の定好感触の反応が返ってくる。

「いいねいいね! 凄く興味があるよ。見に行こうじゃないか」
「なら行こうか。明日なら暇だし」
「悪いが私は不参加だ。明日の午後はバイトがある。三人
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