第二章 【Nameless Immortal】
参 振り下ろされた兆し
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の色がある。カリアンとしても懸念事項が一つ減っていた。
「かなり疲れてますけど大丈夫ですか?」
「そうですね。事後対応は一段落するころでは?」
「それ以外にも多いよ。この間の情報強盗に関した対応や派生の問題もある。そのせいか何でも私の元に上がってくる現状さ。暴走族、連続窃盗犯、機関部への侵入。本来は都市警の管轄なんだがね」
「……ああ、なるほど。ご苦労様です」
ドリンク剤や胃薬の薬瓶の横、書類が積まれている机をクラリーベルが見る。
「失礼な物言いだがそろそろ退席して貰えるかな? 詮索されれば困る関係だ」
レイフォン側からしても反対する理由はない。
書類一式を返還しドリンクの残りを二人は喉に流し込む。
視線だけの見送りを背にレイフォン達は会長室を出て廊下を歩いていく。
「会長大変そうだったね。具合悪そうだったし」
「顔色も悪かったですね。それはそうと、予定空きましたね。色々とありがたい事ですが」
「危険は無い方が良いしね。明日からバイト探さなきゃ」
汚染獣に備え予定を暫くの間空白にしたがこうなれば暇が生まれるだけだ。
後で適当なバイトを探して入れようとレイフォンは思う。
「僕はこの後バイトだけどそっちは?」
「特に用もないので一旦帰ります」
二人が階段手前に差し掛かった時、近くの部屋の扉が開く。
出てきたのは生徒会役員である女子生徒が三人だ。中にはレヴィの姿もある。
「あれま、何で二人がいるの。会長に用でもあった? 都市警や生徒会への陳情なら一階で……」
「まあそんな所です。レヴィさん達はどこか行くんですか?」
「皆で遅い昼食だよ。雑務多くてさ……来週入れば一区切りなんだけどね。あ、そうだ。お姉さんがいいものあげるよ」
レヴィが部屋の中へ戻っていく。
よく分からないまま待つレイフォン達に女子役員が近寄る。
どこかお嬢様然とした雰囲気を持つ先輩が小声で二人に告げる。
「あの、今のうちに帰った方が良いですよ? 後輩がぎせ……」
女子役員が言い終わるより早く小袋を持ったレヴィが戻ってくる。
何もなかったようにそそくさと女子役員は元の位置に戻る。
「私の愛をアルセイヌ君にもあげよう。会長は美味しいって言ってたよ」
レヴィがレイフォンの腕を掴み前に引き出す。
拳を開かれて小袋を乗せられ、そのままレヴィに無理やり握らせれる。
その際、指や掌内側にある絆創膏にレイフォンは気づく。
だがそれよりもレヴィの言葉の後半、先ほどの先輩が涙を拭うように目元を抑えたのがレイフォンには気になった。
「頑張って作ったから良かったらロンスマイアさんもどうぞ。美味しいよ! じゃあねー」
軽く手を振り役員三人は階段を下りてい
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