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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
694部分:第百話 魔の杖、再びその二
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第百話 魔の杖、再びその二

「デモンズロッド」
「魔性の杖をまたか」
「貴様は私の全ての力を使うに相応しい相手だ」
 ミロを認めていた。明らかに。
「だからこそだ。霧と杖を同時に使いだ」
「来たか」
 ミロの周りに無数の異形の魔物達が姿を現わしてきた。その彼等がミロに少しずつ迫って来る。何をしてくるかも最早言うまでもなかった。
「魔物達か」
「既にこの魔物達は知っているな」
「知らない筈がない。だが、だ」
「だが、か」
「この程度ならばだ」
 言いながらであった。拳を繰り出した。光の拳が縦横無尽に荒れ狂いであった。魔物達を瞬く間に蹴散らし倒してしまったのであった。
「どうということはない」
「そうだな。この程度ではな」
 それはリゲルもわかっていた。それを言葉にも出すのであった。
「しかしだ」
「しかし?」
「私の技はこれだけではない」
「まだあるというのだな」
 ミロはサリアの言葉を聞き逃さなかった。
「貴様の技は」
「そうだ。見るのだ」
 言いながらであった。杖を両手に持ち構えてだ。そのうえで杖を上に掲げてそのうえでその技の名前を叫んだ。その技こそは。
「ダークネスイリュージョン!」
「暗闇の幻か」
「この技を出すのはだ」
 サリアは技を放ちながら言うのだった。
「私と同じだけの力を持つと認めた相手にだけだ」
「そうだというのだな」
「暗闇の中で倒れるがいい」
 世界が暗闇の中に包まれる。ミロもその中にいた。
「これは」
「光はこの世界の中にはない」
 暗闇の中でサリアの声だけがする。
「そしてだ」
「俺が暗闇の中に飲み込まれるというのだな」
「そうだ。貴様は私の闇の中に消えていく」
 サリアの姿は見えない。ただ声が聞こえてくるだけだった。
「そのまま何もかも消えるがいい」
「果たしてそうなるか」
 しかしであった。ここでミロは不敵な声を出してきた。
「貴様の思う通りにな」
「私のこの技が破れるというのか」
「破られない技なぞない」
 そうだというのだ。ミロはだ。
「決してだ」
「ではどうするつもりだ?」
「このミロもまた」
「貴様もまた?」
「まだ技は持っている」
 暗闇の中で右手の人差し指を出してきた。その爪が赤く輝き伸びている。
「それも最大の技をだ」
「最大の技か」
「スカーレットニードルだけではないのだ」
 言葉を少しずつ出していく。そうしてだった。
 爪を出してきてた。また言っていく。
「このミロの最大の技、今見せよう」
 ミロも切り札を出そうとしていた。そうしてその中でだった。黄金聖闘士と八大公の最初の戦いは正念場を迎えようとしていたのであった。


第百話   完


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