693部分:第百話 魔の杖、再びその一
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第百話 魔の杖、再びその一
魔の杖、再び
ミロは門の一つに入った。そしてそこから左右に赤い柱が立ち並ぶその赤い宮殿の廊下を駆けていく。廊下はかなり長く何処まであるのかわからない程だ。その先を進んでいくとやがて大きな玄室に出た。そこに彼がいた。
「来たな、スコーピオンよ」
「サタナキアか。やはり貴様か」
「貴様の相手は私しかいない」
その男サタナキアのサリアはミロを見据えながら言ってきた。
「この八大公の私がだ」
「そうだったな。それはマチュピチュの時で既に決まっていた」
「その通りだ。貴様は私が倒す」
サリアはミロを見据え続けていた。
「何があろうともだ」
「そう言うのだな」
「そして言葉を変えることはない」
それもないのだという。
「何があろうともだ」
「つまり俺を倒すのか」
「何があろうともだ。貴様等黄金聖闘士の相手は八大公か神しかない」
まさに彼等だけだというのだ。
「ではだ。いいな」
「来い。受けて立つ」
「私の力は知っているな」
言いながらであった。その杖を出してきた。マチュピチュでミロに対して使ってみせたその杖を出してだ。そのうえでだった。
「そしてこの杖の力もまた」
「あの闘いで破壊した筈だが」
ミロはその杖を見ながら述べたのだった。それは確かに彼が破壊したものである。見間違えようがなかった。
「しかし。何故だ?」
「この杖は何度でも元に戻る」
そうだというのである。彼が今持っているその杖はだ。
「アーレス様の御力によってだ」
「貴様等の神によってか」
「その通りだ。アーレス様は我等狂闘士を何があろうとも助けて下さる」
そうだというのである。
「何があろうともだ」
「それが貴様等の神か」
「我等はアーレス様に全てを捧げている」
その言葉に偽りはなかった。彼にしても本気の言葉である。
「そしてアーレス様はその我々を何があろうとも御護り下さるのだ」
「絆だな」
「そうだ、絆だ」
まさにそれだというのである。
「我等の絆はそれだけのものだ」
「そうか。敵ではあるがだ」
「どうだというのだ?」
「見事だ」
こう言うミロであった。
「皮肉抜きにだ。見事なものだ」
「そう言うのだな」
「何度でも言おう。そしてだ」
「そしてか」
「我等アテナの聖闘士と戦うのに相応しい相手だ」
今度はこんなことを言うのであった。
「まさにな」
「確固たる者は確固たる敵と対する」
「つまりはだ」
その言葉を聞いたミロは静かに返した。
「己に相応しい相手と闘うということだな」
「そういうことだ。ではスコーピオンよ」
「来るのだな」
「そうだ。まずはだ」
言いながらであった。あの赤紫の霧
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