第一章 WORLD LINK 〜Grand Prologue〜
W 〜この街のW・これで決まりだ〜
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風都の街の一角にある「かもめビリヤード場」二階部分。
そこに鳴海探偵事務所はある。
そこのなかで、四人の男が身支度をしている。
一人は帽子をかぶり直し
一人は本を閉じて机に置き
一人はコーヒーの入ったカップを飲み干し
一人は腹部の包帯をチェックして立ち上がった。
「行くぞ」
誰ともなくその言葉が発せられ、開け放たれた扉に向かって歩いていく。
その背を見つめ、送り出すのは一人の女。
彼らの身を誰よりも案じ、戦いの場へと送りだした。
「みんな・・・・帰ってきてね・・・・・」
そうつぶやいて、椅子に座ろうとする探偵事務所二代目所長。
そしてそれから十分後、事務書の扉が叩かれる。
ゆっくりと開かれたその扉は、彼女を置いてけぼりにはさせてくれなかった。
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「よしよし・・・・・これでいい。最終的な微調整はこれで終了だ」
「奴」がコントロールパネルの前でうんうんと頷く。
そこには「奴」のガイアメモリが置かれていて、機械に突き刺さっていた。
「最終調整終了。いや、なんとか間に合ったな。俺ってば天才!!」
機械を眺めて、そうつぶやく「奴」は結構笑顔だ。
だがその機械はと言うと、動いているのが不思議なくらいの状態だった。
ハッキリ言おう。ガラクタである。
スクラップを適当に組み上げました的な感じの機械がそこに一台置かれていた。
機械がスクラップなら建物もスクラップだ。
元はナニカの製造工場だったようで、今は廃棄され、ガラクタしか転がっていない。
意気揚々とその上からメモリを手に取った「奴」が、拳を振りおろしてその機械を粉砕し、バチバチと火花を弾けさせて、機械が沈黙する。
そしてその建物から出てきて程なくする。
山から下りようとしている間に、「奴」の足が止まった。
「ほう・・・・・ここを嗅ぎつけてきたか。探偵!!!!」
「この街はオレの庭だ。わからないことなんざ、ねえよ」
その場に翔太郎、フィリップ、照井が立っていた。
山の中腹辺りの開けた場所だ。そしてここは、Wがミュージアム最後の敵と戦った場所でもある。
「奴」は感心したような声を出しながら、探偵モノの犯人がよく言う言葉を言った。
「では聞かせてくれ。なぜここがわかった」
「簡単さ。君の持つそのガイアメモリ、特にアルティメット
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