血の滴る
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見つけた瞬間、この部屋に駆けつけたんだろう。なんと正しい男だ。ビビりまくって押入れに逃げ込んでこんな妙な状況になっている我が身につまされる。
前原は藤本を睨み付けながら、布団をめくったりトイレを覗いたりし始めた。
「何処に隠したんだぁ?死体はどこに!!」
「ここかあ!?」
―――押入れがスパァン!と開け放たれた。
「……じゃじゃじゃじゃーん」
何か云わなきゃ…と咄嗟に考えて絞り出した、渾身の言葉だった。
大家と前原と藤本が、超絶無表情に俺を見つめている。…一応、少し両手を上げてぴろぴろ動かして楽しげな感じにもしてみたが、場の空気は微動だにしない。…俺は。
俺はそっと、襖を閉じた。
外で3人が何事もなかったように事情を説明したり警察呼んだりしている間、俺は体育座りで暗闇に蹲っていた。
―――俺はこのまま、貝になりたい。
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