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提督はBarにいる。
変わりダネ!おにぎり特集A
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「ねぇ提督。」

「なんだ?鈴谷。」

 作業の手は休める事なく、鈴谷が口を開いた。俺も手元から視線を外さずに応える。

「鈴谷としおいちゃんっておにぎり習いに来たんだよね?」

「そりゃそうだろ?お前らがそう言ったんだ」

 自分から言い出したくせに何を言っているのか。

「じゃあさ……何でお店の手伝いしてるワケぇ!?おかしくない?」

 と、いきなり声のトーンを荒げてきた鈴谷。鈴谷の作業している手元に握られている物。それは、

「何でおにぎりに『イカフライ』が必要なのさっ!」

「私も疲れたよぉ〜、提督ぅ〜。」

 鈴谷に任せていたのは、乾き物の定番駄菓子、イカの姿フライを適当な大きさに砕く事。そしてしおいには塩ゆでした枝豆を剥いて貰っていた……それも、大量に。

「あのな、俺だって店の手伝いを騙くらかしてやらせるほど落ちぶれてねぇっての。イカフライも、枝豆もれっきとしたおにぎりの具材だ。」

 最近のおにぎりの流行りは、白飯の中心に具材を入れて握るのではなく、ご飯に具材や調味料を混ぜ込んで混ぜご飯に仕立て、それを握っておにぎりにするのが手間要らずで流行っている。勿論、ちゃんと具材を入れるタイプのおにぎりも教えるが、まずは混ぜご飯のおにぎりを教えるつもりだったのだ。かくいう俺はかっ〇えびせんを半分に折ってボウルに移し、ベビーチーズを賽の目に刻んだり、細々とした作業をしている。やがて3人の作業が終わる頃に、炊き上がりを示すアラームが鳴った。しかしここから30分程蒸らしの時間がある。……なので、白飯のおにぎりの具材も準備してしまおう。




「さ〜て、蒸らしてる間に中に入れる具材の仕度だ。まずは今までありそうでなかった組み合わせの具材だ。」

《ありそうで無かった!ツナ明太マヨ》

・ツナ缶:1缶

・明太子:1本

・マヨネーズ:適量

・七味や黒胡椒、山椒など:お好みで

 調理は至って簡単、明太子の端を切り落として中身を扱き出して、油を切ったツナ缶とマヨネーズで和える。1度味見して辛味が欲しかったらお好みで七味や黒胡椒、山椒なんかを混ぜてやれば完成だ。

「うわぁ、色はあんまり美味しそうじゃないね……。」

 しおいが見てくれの感想を素直に述べる。まぁ確かに、ツナマヨの中に明太子のピンクのつぶつぶが混じっているのは、馴れない人からすれば気持ち悪く見えるだろうな。

「ま、大事なのは味だ。……ほれ、保温してあった米で悪いがこれに乗っけて味見してみな。」

 俺はそう言いながらご飯をよそってやり、2人に手渡した。2人は恐る恐るご飯にツナ明太を載せ、口に運ぶ。

「あっ、美味しい!」

「うん、普通のツナマヨよりもピリッとしてプチプチ感もあって美味しい
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