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提督はBarにいる。
魂の在処
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っと作ってくれ。」

 次を要求する響の顔は紅潮し、目は少し潤んでいる。さしもの響も酔いが回ってきたか?……無理もない、カクテルを何種類も飲むなんてのは、言ってみればちゃんぽんだ。それも全部が全部ウォッカベースとくれば、並の奴ならとっくにKOされている。それじゃあお次は東京都内の高級ホテル、ザ・ペニンシェラ東京のBarオリジナルカクテルをご紹介。

 と言っても、何も難しい事はない。ウォッカとメロンリキュールのミドリを、3:2の割合でビルドするだけだ。鮮やかで透き通るようなグリーンが特徴の『トーキョー・ジョー(東京ジョー)』の完成だ。アルコールがキツいと感じたら、炭酸で割ってやっても爽やかさがプラスされて飲みやすいぞ。……実はこれ、以前夕張にメロンソーダと勘違いさせて飲ませた一杯である。記憶力の良い読者諸君は覚えてたかな?

「甘くて飲みやすい……ご飯の後のデザートなんかにも良さそうだね。」

「確かにな。見た目は炭酸割りならモロにメロンソーダだから、下戸の奴には飲ませないように注意せんとな。」

 まぁ、俺の場合悪戯で飲ませる事もあるんだが、それは黙っておこう。さて、次はどうするか……。そうだ、ウォッカがキモの、ビックリな一杯を響にご馳走してやろう。

「ウォッカばかりじゃ飽きるだろう、ビールでも飲んで小休止しな。」

 そう言ってビアマグを響に手渡す。

「ビールか……飲めない訳じゃないけど、あんまり得意じゃないな……。」

 そう言いつつもゴクリ、ゴクリと喉を鳴らしてビールを煽る響。数秒後、盛大に噎せかえった。

「ケホッ、し、司令官……なん、だいこれは?」

「ハッハッハ、少しばかり刺激が強すぎたか?そいつは『ビア・バスター』って言ってな。歴としたカクテルなんだよ。」

 ビア・バスター。その名の通り、『ビールを破壊する者』という意味だ。ビアマグにウォッカ40mlとタバスコを2dash入れて、そこにビールを注いで軽く混ぜる。ウォッカの酒精とタバスコの刺激でビールが別の飲み物に変貌してしまうという、飲んでビックリなカクテルだ。今回は響の気付け用にタバスコを通常よりも大量に入れたが、少し入れすぎたか。

「司令官、悪ふざけが過ぎるよ。」

「いやいや、そこまでビックリするとは思ってなくてな。すまんかった。」

 実はこの『ビア・バスター』、もう一つ名前には意味があり、別名『バカ騒ぎビール』とも言われている。悪戯半分に友人に飲ませて、騒ぎを起こさないように気を付けよう。




 さて、窓の外を見ると空が白み始めている。そろそろ店仕舞いの時間だ、響に出してやるのも今宵はお次が最後の一杯だろう。

「さて、そろそろラストオーダーだが、最後もお任せか?」

「うん、さっきみたいな悪ふ
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