688部分:第九十九話 宮殿の中へその二
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第九十九話 宮殿の中へその二
「そしてアーレスの前で会おう」
「では我等は今より」
アイオリアはもう動いていた。相手のいる場所は確かにもう感じ取っていた。その小宇宙は間違えようがなかった。
「それぞれの相手に向かいます」
「では教皇」
ミロも既に動いている。
「アーレスの前で」
「また会おう」
「さて、それではです」
ミロも己の向かうべき場所に向かわんとしている。
「参りましょう」
「では教皇」
サガも己の場所を見据えてそのうえでシオンに声をかけた。
「また会いましょう」
「誰一人として欠けることなく」
アイオロスも言う。
「アーレスの前で」
「頼んだぞ。ではシャカ」
「はい」
「また会おう」
シオンはそのまま前の正門に向かう。しかしであった。
「行かせはせん!」
「誰一人としてだ!」
魔神の狂闘士達だった。彼等が一斉に動いてそのうえでシオン、そしてその他の黄金聖闘士達の前に立ちはだかろうとする。そのうえで言ってきたのである。
「アーレス様の御前に行かせるなぞだ」
「断じて許しはしない」
「我等の命にかえてもだ」
「いいでしょう」
するとであった。シャカがシオンの前に出て来た。そのうえでシオンと他の面々に対して言うのだった。背中のマントが風で翻る。
「ここは私の仕事です。では」
「うむ、それではだ」
シオンがまた彼に応える。そうしてであった。
「行くぞ」
「はい!」
「では!」
こうして全員それぞれの場に散った。魔神達ですら彼等を止めることはできなかった。
何故ならだ。彼等の前にシャカがいるからだ。彼は目を閉じたまま静かにそこにいる。それだけであるがだ。彼等を動かさせない確かなものがそこにはあった。
「バルゴ・・・・・・」
「黄金聖闘士の一人にして最も神に近い男」
「そうだな」
「如何にも」
シャカ自身その言葉を否定しなかった。
「私は神」
彼は言い切ってみせた。
「その私が今御前達の相手をしてやろう」
「我等とて魔神」
今言ったのはクレーベだった。彼だけでなく他の魔神達も皆いる。誰もが蘇りそのうえで今ここにいるのである。
そしてだ。彼等は一歩間合いを詰めた。そのうえで、であった。
「死んでもらう」
「いいな」
「貴様にもだ」
「まずは貴様を倒しだ」
彼等はその言葉を続けていく。
「そのうえで門に向かい」
「他の黄金聖闘士達も教皇も倒す」
「そうさせてもらう」
「いいだろう」
シャカはまずは彼等のその言葉をよしとした。
「思うのならばよい」
「思うだけではない」
「断じてだ」
しかし彼等にしては当然思うだけではない。本気でそうするつもりだった。
だからこそだ。今まさにシャカに向かわんとする
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