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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十三話 改革の嵐を起こします。
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い脚を組み、悠然とソファの背もたれに左腕を預けながら言った。客人を相手にしているというのに傍目には無礼な態度なのかもしれないが、ヒルダの目から見れば、そう言ったラインハルトの姿勢一つ一つが優美な芸術品を見ているような気分にさせられるのである。
「ですが、私には――。」
その時、ドアがノックされ、入室の許可を得て入ってきた副官がイルーナ・フォン・ヴァンクラフト上級大将の来訪を告げた。
「フロイライン、私の意見だけでは判断材料として不足だというのであれば、それについて、この方の意見を聞いてみるがいい。」
この方?上級大将なのに、この方?ヒルダは一瞬戸惑ったが、その戸惑いが消え去らぬうちにイルーナが姿を現した。彼女はヒルダを見るなり懐かしい顔を見かけたというように微笑を浮かべた。
「イルーナ・フォン・ヴァンクラフト、ローエングラム元帥府所属上級大将です。お久しぶりですね、フロイライン・マリーンドルフ。カストロプ星系会戦直前以来でしょうか。」
プラチナブロンドの美貌の上級大将を見た瞬間、ヒルダは少し頬が赤くなるのを感じた。
「痛み入ります。ヴァンクラフト上級大将閣下におかれましてはご壮健で何よりでございます。」
「堅苦しい挨拶はやめにしましょうか。ラインハルトもそれを望んではいないでしょうから。」
ラインハルト!?ヒルダは内心驚きを禁じ得なかった。この二人には血縁関係はないはずなのに、まるで姉弟同様の接し方ではないか。
「イルーナ姉上・・・いや、失礼。フロイレイン・ヴァンクラフト上級大将は、私の幼少の頃からの幼馴染なのだ。もう10年以上の付き合いになる。私が志をたてようと誓った時から、アレーナ姉上、失礼・・・フロイライン・ランディールとともに私とキルヒアイスを支えてくださったのだ。」
「さようでございましたか。」
ヒルダは何とも言えない感情が胸の中に湧き上がるのを感じていた。それが何なのかヒルダ自身にもよくわかっていなかったが、それは穏やかな湖面のような心境とは程遠いものだという事だけは自覚していた。
「フロイライン・マリーンドルフ。」
イルーナはそんなヒルダの内心を知ってか知らずか、彼女の瞳に万感の思いを込めた眼差しと共に、次のような率直な言葉で彼女の思いを言ったのである。
「あなたの人柄はよく知っているつもりです。私からもお願いします。どうかラインハルトを助けて彼の覇業を支えて行ってください。」
そこまで言われては、ヒルダとしても断る理由などはない。彼女は「私のような人間をそこまで買ってくださるとは、痛み入ります。どうかいささかなりともローエングラム伯の覇業成就をお手伝いさせてくださいまし。」と、述べたのである。実は、ヒルダは父親であるマリーンドルフ伯爵に既にローエングラム伯の事を話し、彼の陣営に加わりたい旨を事前に話し、了承を得
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