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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十三話 改革の嵐を起こします。
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角となった「金髪の孺子」に話しかけた。ラインハルトは顔を向ける。宮廷用に本心を韜晦した無表情な顔で。
「これはまだ正式な話ではないが、和平条約が破棄されれば、卿を遠征軍総司令官として、反徒共の宙域に侵攻してもらうこととなろう。その準備をしておくように。」
ほう、この俺を生贄にしようというつもりか、ミュッケンベルガーめ、とラインハルトは内心面白からぬ思いだった。自由惑星同盟がまだ大規模な戦力を残している以上、ましてやイゼルローン要塞級の新要塞を建設している以上、そこに正面から突っ込むことは自殺行為である。遠征ともなればラインハルトはその麾下九個艦隊を始めとする全軍を投入せざるを得ず、それが破れた時の損害はダゴン星域会戦の比ではなくなるだろう。
(俺が死ねば、重石が取れるとでもいうわけか。だが、そうなれば彼奴等は自分で自分の首を絞めることとなる。そのことに気が付かぬとは、喜劇以外の何物でもないな。)
だが、ラインハルトにはノインという事は許されなかった。幕僚会議上の非公式な発案とはいえ、いずれは皇帝陛下勅命として発動されるものであるだろうから。
「承知しました。それに関しまして一つ提案があるのですが。」
「何か?」
「内政による国力増強の検討が必要かと思われます。先年リッテンハイム侯を討伐した際に、多くの貴族がこれに加わりました。つきましてはその私設艦隊、領地、これらの処理が問題であると思われますが。」
帝国元帥であるラインハルトは本来であれば内政、軍政に口を出す権限も義務もない。だが、ラインハルトは帝国軍全体に問題に巧妙にすり替え、内政重視政策はすなわち補給・補充体制の構築、私設艦隊の収容は帝国軍全体の再編として、これを提案したのである。 
ミュッケンベルガー元帥、シュタインホフ元帥、エーレンベルク元帥、そしてリヒテンラーデ侯爵はこれを内心面白からず思っているようであったが、それに反対する理論を持ち合わせてもいなかった。ましてやラインハルトが提案したのは「貴族領地の幾分かを皇帝直轄領とし、これに思い切った改革を断行させて将来の補給・補充の中継点とすべし。」という帝室強化の発言とあっては、表立って反対するわけにもいかなかった。反対の可能性があるとすれば、ブラウンシュヴァイク公くらいであったが、公爵自身には既にラインハルトが間接的に根回しをしている。また、リヒテンラーデ侯爵にも事前に皇帝権力強化の名目で話を行っているため、この二人からは既に了解を得ていたのだった。

この問題は、軍務尚書のエーレンベルク元帥が担当すべきものであった。だが「生意気な金髪の孺子め!!」と内心憤っていたエーレンベルク元帥は、ミュッケンベルガー元帥、シュタインホフ元帥、リヒテンラーデ侯爵らとのちに話合い、ほかならぬラインハルトにその責を押し付けたのである。ラインハルト
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