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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十三話 改革の嵐を起こします。
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その頃――。

自由惑星同盟内では、一時的な和平を喜び合った新年は幕を閉じ、いつもの平常さが戻ってきていた。そのさなか一つの人事刷新が起こった。ピエール・サン・トゥルーデ内閣は長期政権の首座を辞職して評議会を解散したのである。帝国と自由惑星同盟との間に一時的にも友好を設立させたことにより、一種の区切りがついたとピエール側はみなしたのである。
「それに、一個人が長年政権を担うのはよくない事だ。私も色々と疲れた。ここいらで一つ後進に譲るのもまた政治家としての仕事だろう。」
まだ43にもなっていないのにもかかわらず、こうした老成ぶりを示す言葉を口にしたのは、もう充分だというピエールなりの自己満足があったからなのだろう。

ピエール・サン・トゥルーデは惜しまれながら最高評議会議長、そして政治家を引退し、故郷のカッシリ星系の一都市に引っこんでしまったのだった。今後はそこの一私立高校の校長として過ごすのだそうだ。

代わって、最高評議会議長になったのは、ブラウン・フォール内閣である。ピエール・サン・トゥルーデの流れをくむ保守党の一員でありながら、来るべき戦いに備えて軍備拡張を喧伝する政治家である。だが、彼は軍事一辺倒の人ではなく、時には臥薪嘗胆の気構えが必要なことを知ると、進んでそれに耐えるだけの力量を持った人物だった。


こうした平和時には納税者から軍の縮小が叫ばれるのであるが、この度はそうはいかなかった。
何しろ、帝国も同盟も和平は一年間と半ば規定事実化させていたからである。その最大の原因は、帝国では既にブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯の内乱が終結していた事、自由惑星同盟では「イーリス作戦」と呼ばれる帝国軍総迎撃態勢が構築されつつあったことである。
この情報はいち早く帝国にもたらされたが、それはまだ名称程度の情報しかわからなかった。イーリス作戦の詳細はシャロン、ブラッドレー、そしてシトレの胸の中にあったのである。


 帝都オーディンの宮中帝国軍最高幕僚会議では、国務尚書のリヒテンラーデ侯爵を交えて、帝国軍三長官とクラーゼン参謀総長、そしてラインハルトが連日会議を行っていた。主目的は軍の再編成と自由惑星同盟で盛んに喧伝されている例のイーリス作戦についてである。
「反徒共め!我が帝国をコケにしおってからに!直ちに出兵だ!・・・と、言えればよいのだが、我が帝国も昨年の内乱の痛手からまだ直っておらん。万全の体制を和平期限が切れるまでに構築し、体制が整い次第軍事行動に移るのが得策であろう。」
こういったのは新・軍務尚書となったエーレンベルク元帥である。新・統帥本部総長のシュタインホフ元帥もそれに同意を示した。
「ローエングラム伯。」
ミュッケンベルガー主席元帥は、階級はともかく、正規艦隊の統御数ではほぼ互
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