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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十三話 改革の嵐を起こします。
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に、ベルンシュタイン中将はコルプト子爵の覚えが目出度い人物でもあります。そのコルプト子爵は恐れながら閣下のいとこに当たられるお方。ブラウンシュヴァイク公もお気に召している方です。」
「ええい、わかった!その手を離せッ!!」
アンスバッハがつかんでいた腕を離すと、フレーゲル男爵がさも忌々しそうにアンスバッハの手を振り払った。
「二人とも下がっておれ!!」
敬礼した二人はフレーゲル男爵が大股にうろつく居間を出ていった。廊下に出て玄関前に来たところで、ベルンシュタイン中将はアンスバッハに向き直った。
「申し訳ない。」
年齢はともかく、階級は下の相手にベルンシュタイン中将は頭を下げた。
「閣下、お気持ちはお察しいたします。」
「いや、結構です。」
言葉少なくベルンシュタインはなおも頭を下げようとするアンスバッハを制した。
「私の力量が足りなかった。ただそれだけのせいなのです。しかし――。」
ベルンシュタイン中将は 自分の指を唇に当てた。
(あのエリーセル大将、ヴァンクラフト上級大将・・・・。ただ物ではない。ローエングラム元帥府麾下のロイエンタールらに匹敵する力量を持っている。だが、原作には出てこなかった。これはバタフライエフェクトなのか?しかし、前々から思っていたが、なぜここまでかい離してしまうのだ?女性士官学校、第五次までのイゼルローン要塞攻防戦、そして、早すぎる、しかもブラウンシュヴァイク公爵とリッテンハイム侯爵が争うという内乱。私という存在のせいでそれほどのゆがみを生じたとでもいうのか?いや、私自身がまだ全体を把握しているわけではない。が、しかし――。)
「閣下。」
ベルンシュタイン中将は顔を上げた。アンスバッハが心配顔でこちらを見ている。
「いや、失礼しました。少し考え事をしていましたゆえ。」
「どうか、男爵閣下のことは寛大に見ていただきますよう。心ある者は閣下の智謀を頼りにしております。私もですが。」
ベルンシュタイン中将の思案の中身を取り違えていたが、中将にとっては全くの別物というわけではない。最近とみに「ブラウンシュヴァイク公爵にお仕えして本当によかったのか?むしろラインハルトの麾下に身を置いて時期を待つべきだったか。」などとすら思うようになってきていたからだ。
「准将。安んじていただきたい。一度仕えた身としてはブラウンシュヴァイク公を見限ることなど考えてはいません。」
ベルンシュタイン中将はきっぱりといった。今自分の心の中で生じた迷いをねじ伏せようとするかのように。
「少しお疲れのようですから、休まれては?」と、引き留めようとするアンスバッハに断って、邸を出ていったが、その顔色は悪かった。
「無理もない・・・。」
ベルンシュタイン中将を乗せた地上車が遠ざかるのをアンスバッハは暗澹たる思いで見送っていた。
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