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第七十三話 改革の嵐を起こします。
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帝国歴487年1月12日――。
ブラウンシュヴァイク公爵邸――。
「貴様は何をやっていたのだ!?」
フレーゲル男爵がいつになく形相を変えて憤怒をベルンシュタイン中将に叩き付けている。当の本人は直立不動の姿勢を取ったまま心持視線を俯けてフレーゲル男爵の罵声を受け続けている。
というのは、処罰こそなかったものの、フレーゲル男爵はミュッケンベルガー主席元帥からけん責を受けていたのだ。理由は、あのリッテンハイム星系会戦の際に左翼艦隊を囮とする作戦を献策した結果敵を勢いづかせた、というものだった。作戦を採用したのは他ならぬミュッケンベルガー自身であったが、貴族でありながら「参謀」として傍らにいるフレーゲル男爵自身も責任を免れなかった。当の男爵自身も表向きはあくまで自分の献策として話したため、今更「この作戦はベルンシュタイン中将なる者の発案によるものです。」などとはいえなかった。そんなことをすればいくらミュッケンベルガーであろうとも「横紙破りめ!」と激怒してさらなる重い処罰が課されるに決まっているからである。それだけならまだしも、後でそれを知ったブラウンシュヴァイク公爵から散々に叱られた挙句「ベルンシュタイン中将をミュッケンベルガー元帥に売り渡すことなど許さぬ!」とくぎを刺されてしまったからにはどうしようもなかった。
だが、当然フレーゲル男爵の方は収まらない。その結果が今繰り広げられている罵声の嵐というわけだ。
「貴様の策略の失敗で、あの小娘は死ぬどころか生き延びたではないか。あの孺子の片腕は未だについているままだ。」
「・・・・・・・。」
「それどころかあの孺子がついに元帥杖を手に入れたのだぞ。」
「・・・・・・・。」
「何が『艦隊は敵前回頭を致します。その回頭する瞬間を味方もろとも砲撃してしまえばよいのです。』だ。敵がワープをすることすら予見できぬのでは貴様の頭もいささか錆が来たというべきではないか?」
「・・・・・・・。」
「ええい、忌々しい!!」
一向に返答しないベルンシュタイン中将に業を煮やしたフレーゲル男爵は、手に持った杖を振り上げた。
「打擲して放逐してやるわ!!」
勢いよく振り下ろされようとした杖を持つ手が止まった。その場に居合わせたアンスバッハ准将に止められたのである。
「なぜ止めるのだ?」
「閣下、今ここでベルンシュタイン中将を失うことは得策ではありません。」
「彼奴が立てた策謀は悉く失敗したではないか!」
「お言葉ですが、男爵閣下。ベルンシュタイン中将は得難い方です。一度や二度の失敗で放逐をするのはかえって閣下の御器量が小さいとのそしりを受けましょう。ここは次の功績次第という事で一時処分を御見合わせになってはいかがでしょうか。」
アンスバッハが抑えているフレーゲルの手がワナワナと震えている。
「それ
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