贖罪-エクスピエイション-part1/半妖精の憂い
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下!アンリエッタ女王陛下はおられるでしょうか!?自分は魔法学院へ、アニエス隊長と共に派遣された者です!」
その時だった。謁見の間の扉の向こうから、銃士隊の隊員と思われる女性の声が聞こえてきた。
「入りなさい」
アンリエッタが入出を許可し、入ってきた銃士隊員が臣下の礼を取りながら彼女の前で跪く。
「突然の来訪をお許しください」
「構いません、何が起こったのか話しなさい」
「実は…」
次にその銃士隊隊員の口から飛んできた報告内容は、サイトたちに強い衝撃を与えるに十分すぎた。
「トリステイン魔法学院が黒い巨人の襲撃を受け、半壊!!」
「!!!」
トリステイン魔法学院に、黒い巨人…!?やはり自分たちの学び舎が、自分たちの目の行き届いていないうちに襲撃を受けたという、想定外の事態に、サイトたちは驚愕した。
「被害は…?」
「銃士隊の者の半数以上が、死亡…。学院に通っていた生徒、教師にも死傷者がいた模様…ですが、ウルトラマンが現れ、黒い巨人を見事撃退したので、壊滅は免れたと」
「ウルトラマンが現れた…もしかして、そいつネクサスですか!?」
「は、はい…」
「…ッ!」
銃士隊隊員が、突如話に割り込んでしまったサイトに対し、少し圧されながらも頷いた。テファは、魔法学院に姿を現したというウルトラマンがネクサス…シュウであることを聞いて強い反応を示した。
シュウが…彼が生きている…!
「ネクサスって…あいつか…」
アキナはこれまでウェザリーの刺客だった頃からも、彼とぶつかり合ったことを思い出す。同じ地球人でウルトラマン、自分が好意を寄せているサイトとはまた別の興味もあった。
だが今のテファは、シュウともう一度会うことに対して抵抗を感じていた。
彼と会っても…何を話したらいいのかわからない.
生きていてくれたことは確かに嬉しい。しかし…
―――――足手まといなんだよ
ロサイスでメフィストと戦うためシュウが変身する直前に言った、彼の言葉が…そして普段は冷静なはずの彼をあれほど取り乱させるほどの存在であることを予想させる茶髪の少女の姿が、この時のテファの脳裏によぎり、影となってのしかかっていた。
あの言葉と、シュウの心を乱すほどの少女の存在が、彼が生きているという事実に対する喜びをほとんど打ち消してしまっていた。
しかし、シュウが生きていると聞いて動き出したのはサイトだけではない。
「…テファ、あたしも一緒に行くよ。あいつにはそろそろ、一言言っておかないといけないことがあるからね」
「姉さん、でも…」
それはマチルダだった。顔を上げて不安を露わにするが、マチルダは笑みを浮かべてテファの頬に手を添えた。
「大丈夫。あいつが何か言ってきたら、あたしがガツンと言ってやる。今度こそ、あの死にたがりに、今まで以
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