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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
贖罪-エクスピエイション-part1/半妖精の憂い
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えられなかった。
「……ずっと、この調子」
マチルダも今のテファには心を痛めていた。シュウが姿を消してからこの調子である。
父モード大公の屋敷の中で、そして森の中で外の世界をほとんど知らないまま生きてきたティファニア。そんな彼女が初めて見る王都トリスタニアを見ても、まるでリアクションをしなかったほどだ。
「あぁ、なんということだ。このような可憐な花がずっと涙の雨に打たれているようでは枯れてしまう。僕が何か力にならなくては」
「あんたは余計なことしないで。モンモランシーに言いつけるわよ」
そんなテファを見かねてギーシュがしゃしゃり出ようとしたが、当然ながらその気遣いの裏に下心が丸見えだったので、ルイズからモンモランシーの名前を出されて息を詰まらせた。
「お嬢ちゃん、そんな辛気臭い顔すんな。せっかくの美人が台無しだぞ?」
「あんたねぇ…」
茶化しているようにも聞こえる口調で言ってきたこともあって、マチルダは言葉をかけてきたギルを睨み付けた。そんな彼女にジュリオが口を挟んでくる。
「まぁまぁ。グル船長さんの言うことも最もだ。それよりティファニア嬢。せっかくの機会だから陛下とちゃんと顔を合わせた方がいいよ」
「っち…」
このチャラ男くさい奴に諌められるのは気に食わないが、言っていること自体は間違いではない。少しでも笑顔を取り戻してほしいとも思っていたマチルダは、少し舌打ちしながらも退いた。
「ティファニア、顔を上げて頂戴。あなたには、お礼を言いたいのです。以前ルイズたちがあなたの村を訪れた時のことで…」
アンリエッタはティファニアに触れて、少しでも安心感を与えようと言葉を懸けようとしたが、一つ気が付いたことがあった。
「あら、あなた…どうして屋内なのに帽子を?」
「あ、こ…これにはわけが…」
テファは、エルフの血を引くことを隠すために、外出時では必ず帽子をかぶっており、今でもかぶったままだった。そうしなければ、エルフを敵視するブリミル教徒で絞められた王宮内の貴族たちに目をつけられてしまうからである。
「……」
マチルダは一つ覚悟を決めた。ここに連れてこられたのは、異星人にテファが狙われてしまった状況下でサイトたちの救出をやむなく受けざるを得なかったためだ。しかし王宮と言えば、前述でも語った通りエルフを敵視する者たちの巣窟も同然。場合によっては女王を人質にして、テファを脱出させる算段を考えていた。
「…陛下、ティファニアには重大な事情ゆえに、帽子を常に被らないといけないのです。ですが、どのような事情があっても、どうかティファニアを拒絶しないことを願います」
すると、ルイズがアンリエッタにそのように説明を入れてきた。
「お、おいあんた!」
「大丈夫よ、陛下はあなたたちが考えているようなことはしないわ」
マチルダが止せ!と言
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