贖罪-エクスピエイション-part1/半妖精の憂い
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しく謝ってくる。
「…まぁいいわ。『あの方』の状態は?」
『警備が厳重のようでしてね。どうやら彼らも擬態能力を持つ者に対しては特に警戒心が高いようです。やはり姿のみで欺くという手は使えそうにありません』
「…仕方ないわね。それなら…こちらから無理やりこじ開ける手で行きましょうか」
『了解いたしました。なら私は座標の割り出しに入りましょう。そちらの仕事は任せましたよ…シェフィールド殿?』
モニターはそこで消え去って通信は切れた。
通信先の男と、何かを狙っているのだろうか。その辺りに興味を惹かれたチャリジャがシェフィールドに尋ねてくる。
「お知り合いで?」
「不本意ながらね。でも、あなた…商売相手の事情に首を突っ込むのはどうなの?」
「これは失敬。あなたの通信相手は中々のお方のように感じ取れましたので」
「…」
シェフィールドはチャリジャに対して気を抜けない気持ちを抱いた。こいつとはあくまで駒として利用する怪獣を手に入れるための繋がりしかない。もし自分以外に都合のいい商売相手を見つけたら、すぐにそちらに手のひらを返すこととなるだろう。チャリジャはその後、商品の様子を見に行くと告げ、部屋を去った。
すると、チャリジャと入れ替わるように、新たなモニターが表示された。
『……ゴォォォォ…』
次に現れたのは、仮面をつけた不気味な男だった。言葉を発さず、声はうなっているだけ。シェフィールドは少々困った様子でその男に言った。
「…あなたね、はっきり言葉を喋ってくれないとわからないわよ」
『悪い悪い。どうもこいつは喋るのが得意じゃないみたいでな。「結界の準備は完了した」と言ってるぜ』
すると、今度は雨合羽を着たチンピラくさい口調の男がシェフィールドに軽い感じで、うなり声を発した男の代わりに報告を入れてきた。
「通訳ご苦労様。あと二人いないみたいだけど…」
『心配にはおよばねぇよ。あの二人も、「あの方」を呼び出すために必要な装置の材料を集めている』
「そう、ならいいわ。引き続き工作に入って。その二人がこちらに来たら、結界を発動させる。急いで」
『おう。ところで、そっちはどうだ?虚無の力とやらを持っているメスガキを手に入れるとか言ってなかったか?』
「今回は見送るわ。私の主も積極的にとることはないと言っていたし。
できれば早いうちに手に入れたかったのだけど」
シェフィールドの計画は、破られる度にまた一つ、ハルケギニアを……エスメラルダを覆うほどの規模に膨れ上がりつつあった。
「なるほど、そのようなことがあったのですね」
王宮にて、帰還したサイトたちから話を聞いたアンリエッタは、サイトらと共に、彼らによって救出されたマチルダとティファニア、そして炎の空賊団3兄弟船長と謁見の間にて対談した。
この時の他の空賊のクル
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