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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
686部分:第九十八話 出陣その五
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の返答であった。
「それではです。教皇の御考えのままに」
「済まぬな。それではだ」
「そうだな。シャカが言うのならばだ」
「我々も意地を張り過ぎた」
「全くだ」
 サガとアイオロスも冷静さを取り戻した。そのうえでの言葉であった。
「では教皇、ここは」
「御願いします」
「是非」
「うむ。そうさせてもらう」
 シオンも静かに応える。そうしてであった。
 今シオンを先頭にしてトラキアの巨城前に来た。大きく壮麗だが赤く禍々しさを漂わせた門であった。ルビーと赤い大理石で築かれた柱を左右に置くその門には既に多くのインプ達がいた。彼等は一行を見てすぐに身構えたのであった。
「来たか黄金聖闘士!」
「そして教皇までか!」
「来たというのだな!」
「その通りだ」
 応えたのはシオンであった。
「通らせてもらうぞ、今からな」
「ふざけたことを言う」
「全くだ」
「そんなことができるものか」
「ここはアーレス様の聖地」
 あの三叉の槍をそれぞれ手に持ってだ。そのうえで次々に門から出て来た。そのうえでシオンを見据えて言うのであった。
「貴様等が入られる筈がない」
「我等のこの手でだ」
「倒してやろう」
「それにだ」
 さらに言う彼等だった。
「黄金聖闘士だけでなく教皇までいるとなるとだ」
「倒しがいがある」
「貴様等を全て倒せばそれで聖域は終わりだ」
「ならばだ」
 聖域がまさに教皇と黄金聖闘士をその中心としていることをわかっていてであった。そのうえでの彼等の今の言葉であった。
 そうしてだ。今まさに飛び掛らんとする。だがシオンはまだ冷静なままだ。身動き一つしない。
「来るのだ」
「言われなくともだ!」
「覚悟するがいい!」
「その首我等が貰い受ける!」
 口々に叫んで襲い掛かる。今シオンの首を取らんとする。
 しかしであった。そのシオンは。
 まだ動かなかった。微動だにしない。
 だが小宇宙が高まる。その中でシオンは。何かをしようとしていた。


第九十八話   完


                 2010・3・4

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