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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 生裁戦士セイントカイダーll
第4話 初代と三代目
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 ――そう、俺は宋響学園のヒーローだ。

 そんな存在であり続けるためには、誰よりも強くあるしかない。自分がそうであることを証明するためには、仲間に頼ってはいけないんだ!

 だって、そうだろう!? 周りに助けを求めるということは、自分の弱さを露呈することに繋がる。そんなものは、ヒーローと呼べるものじゃないだろう!

 なのに、みんなしてそれは間違いだと言う。自分一人で背負い込んではならないと。

 だったら、俺はどうしたらいい!? ここまで一人で戦い抜いて来て、今さら誰に助けを求めろって言うんだ!?

 その旨が、いつしか顔に出ていたのだろうか。大路郎先輩は何もかも悟ったかのように、済ました表情で俺をジッと見つめていた。

「……一人で戦えなきゃ、一人で全部こなせなきゃ、ヒーローじゃない。確かにそうかも知れないさ。けどな――」

 一度そこで言葉を切ると、彼は俺の隣に腰掛け、年の近い弟を見るような目で俺の顔を覗き込んできた。

「――君は、ロボットじゃねぇだろう」

 叱るのでも、諭すのでもなく、ただ自分が思うことを素直に言っただけのような声。俺にああしろ、こうしろと言いたげな雰囲気は、全く感じられなかった。

「え……」

「そんなことが本当にできるのなら、それは大したもんさ。だけど、悲しいことにそれが絶対にできないのが『人間』ってもんなんだよ。失敗はするし、怒られもするし、自分じゃどうにもならないことなんて腐るほどある。動力とボディがあればいくらでも働けるロボットみたいには、どんなに頑張っても届かないんだよな、これが」

「俺が……ロボット?」

「ちげーよ。君は紛れも無く人間だ。だからこそ、みんな心配してる。『いつかどこかで壁にぶつかって、壊れてしまう』ってね。それが、人間なんだからさ」

 苦笑混じりに話す彼は、どこか遠い所を見るような目をしていた。

「一人で戦おうって決めても、結局のところは仲間に頼るしかなくなる。ロボットじゃなきゃできないようなことを人間がやろうってんだから、最後は頼って当たり前なんだよ。『人間のヒーロー』である限り、な」

「で、でも俺は……」

「まぁ、急にこんなこと言われたって変われるわけないよな。――だったらさ、『自分がするべきこと』から『自分にできること』に絞ってみたらどうよ」

「自分に、できること?」

 どういう意味だ……? 訝しがる俺に対し、彼はニッと笑って俺の胸中に答えた。

「簡単さ。自分にできることは、なにがなんでもやり切る! でもって、後のことは仲間に全部任す! 『自分じゃできないこと』をやってもらうだけなんだから、大して気負いもしないだろ?」

 ――つまるところ、彼は仲間を頼ることへの「見方」を変えてみろ
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