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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 生裁戦士セイントカイダーll
第4話 初代と三代目
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おっしゃるあなたは……あの桜田舞帆先輩より先に、セイントカイダーに変身されていたという方なのですか?」
「一応……な。去年に宋響学園を卒業した、船越大路郎だ。よろしくな」
船越大路郎――それが、初代セイントカイダーの名前なのか。
校長先生や舞帆先輩が厚い信頼を寄せる、宋響学園の元祖ヒーロー……。
「大路郎先輩――ですか」
「セイントカイダーをやってる奴にそう呼ばれるのは、なかなか新鮮な気分だぜ。ハハッ!」
こう言っては難だが……朗らかに笑う彼の姿からは、学園のヒーローとしての風格はあまり感じられない。
セイントカイダーに変身するような、エリートに分類される人間というよりは――「田舎のあんちゃん」のような印象を受ける。
「俺が変身してた頃は、たったのFランクだったんだよなぁ。それが今や、栂君と舞帆のおかげでAランクヒーローとは……先輩として鼻が高いねぇ」
「Fランク――そういえば、確かに最初の頃はメディアにほとんど露出のない、地味なヒーローでしたよね。入学案内のパンフレットくらいでしか見たことがありませんでしたよ」
「たはは、酷い言われようだなぁ。ま、実際その通りなんだからいいけどね。なんにせよ、ヒーローとしてセイントカイダーが活躍できてるのは、君の実力さ。俺が教えるようなことなんてあんのかねぇ」
お手上げ、といわんばかりに苦笑いで両手をひらひらさせる路郎先輩に、俺は難しい顔になる。
本人はああ言ってるが、ここで何も聞けないままだと手ぶらで帰ることになるぞ。それだと、せっかく俺に時間をくれた生徒会のみんなに申し訳ない。
どうしたものかと俺が考えあぐねていた――その時だった。
「でも、これは――言っときたいかな」
――大路郎先輩が、口を開いた。
その瞬間――この部屋の空気がガラリと変わったような気配を感じ、自然にハッと顔が上がる。
今までと同じ話し方でありながら、雰囲気がまるで違う。
なんと形容すればいいか――単にヒーローらしいというより、命懸けの修羅場をくぐり抜けてきた戦士のような、重苦しい印象を受けた。
――この人は、一体……!?
「栂君。君は、仲間に助けてもらったことはあるか?」
「……いえ、今のところは」
「なるほどな。全部達城の言う通りってわけか。しんどいことしてるなぁ、君」
「大丈夫です、問題ありません。それに、仮に苦しい現場であったとしても、俺は周りに責任を負わせるようなことはしません」
こんな有無を言わせぬ気迫をちらつかせている人間が相手では、体のいい言葉で取り繕うことも出来ないだろう。
俺は尻込みしそうになっていた自分の心に鞭打ち、敢えて俺自身が思うことをありのままに打ち明けた
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