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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 狩谷鋭美の恋路
前編 ヒーローとヴィランの遊園地デート
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知らないんだし」
「あ……」
「せっかくの仮釈放なんだし。どうせ二人だけじゃないとダメなんだったらさ、お前のしたいことをした方が楽しいに決まってるよな」
そう言って苦笑いする船越の顔は、あれこれと自分を演じようとしてたアタシが恥ずかしくなるくらい、眩しく映った。
……なんで、アンタはそんなに優しいのよ。アタシは、アンタをあれだけ痛め付けたのよ? 敵視したり、蔑んだりするのが普通でしょうが!
そんなに優しくされたら――アンタしか、見えなくなるじゃないの……。
「……責任、取ってよね」
「うん? 何の責任か知らないけど、お前が取ってほしいって言うんなら、俺が取るよ」
「――バ、バカ!」
そう言って、アタシは素直じゃない言葉を口にしながらさっさと遊園地に入っていってしまった。
病院の時はあんなに積極的になれたのに、二人っきりになると急に緊張しちゃう……。
「バカ」なんて言う気はなかった。「愛してる」って、そう言いたかったのに。
「え、えぇ!? おのれ、どこへ行く!」
焦った表情の船越がチケットを手に、アタシを追って走って来る。あわてふためく姿は、低めの身長も相まってギュッとしたくなるくらい可愛い!
少しばかり走った後、船越はなんとかアタシに追いついた。やっぱり筋肉がやたら重たいせいなのか、アタシよりだいぶ足が遅いみたい。
大した距離を走ったわけでもないのに、ぜぇぜぇと息を荒げている。
「ハァ、ハァ……ここに行きたい、のか……?」
「えっ?」
船越がアタシに追いついたところでアタシ達の眼前にあったのは――まさかの「お化け屋敷」だった。
予期せぬ緊急事態に、アタシは自分でもわかるくらいに顔面蒼白になる。
「い、いや、別にアタシはこ、こに来たかったわけじゃあ……!」
「さっきも言ったろ。キャラなんて作らなくてもいいんだからさ、お前の好きなようにしたらいいじゃないか」
朗らかな笑顔で、お化け屋敷行きを薦める船越に、アタシは思わず頭を抱える。あんなこと、言うんじゃなかった!
で、でも、ここで本当にお化け屋敷が苦手だってことがバレたら、笑われるかもしれないし、なんかお化け屋敷に行かなきゃいけない空気にもなってるし……こ、こうなったらぁぁぁぁっ!
「しょ、しょしょしょ、しょーがないわねぇっ! そ、そこまでアンタに言われちゃあ、こっちも引き下がれないわっ!」
「え? 別に俺は挑発するような事は――」
「さ、ささ、さぁ! 行くわよ船越ッ!」
「ああ、それはいいんだけど……足が震えてるぞ? うんこ行き――あ、違う。お腹痛いのか?」
「ち、ちが、違うわよっ! 武者震いよ、武者震い!」
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