暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 桜田舞帆の恋路
第3話 激突する恋心
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 私が船越君に甘えてばかりだったのは、逃れようのない――事実なんだから。

 心配そうに唇を噛み締めて、私を見守る船越君の方を見た途端、ドルフィレアの言葉が胸に突き刺さる。

『あのお方に甘えているのでは?』

『大路郎様をものにしたいと?』

『あのお方に頼るしかないあなたが?』

 ……わ、私は! ただ船越君が好きだから、彼のために頑張ろうって――

「大路郎様に心配を掛けることしかできない――そのような方に、わたくしは負けませんッ!」

 ――必死に言い訳を考えている私の思考を消し飛ばすように、ドルフィレアは水圧カッターを放つ。

「うッ!」

 私は意識を現実まで取り戻すと、とっさに身をかわしてセイトサーベルを構える。

 しかしその頃には、ドルフィレアは忽然と姿を消していた。

「え!? ど、どこに行っ――」

「逃げろ舞帆ッ! 後ろだーッ!」

 彼の声は、私には間に合わなかった。

 ううん。私が鈍臭いせいで、反応できなかっただけなんだ。

 ――水圧カッターを避けた隙をついて、プールを潜行して背後に回っていたドルフィレアの影に。

「今のあなたは……隙だらけッ!」

 刹那、視界が激しく揺れる。

 そして、息が出来なくなった。

 水色の景色を前に、意識がまどろんでいく……。

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