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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 桜田舞帆の恋路
第3話 激突する恋心
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でも、彼女は違う。
彼女は初めから、船越君のいい所をちゃんと知っていた。きっと、今の私でも知らないような所まで。
そんな彼女が、船越君の今の姿を見たら――悲しむのは、明らか。
不良なのは、見た目に名残があるくらい。だけど、それでも本来不良なんかとは無縁なはずだった彼の髪を見れば、変わってしまったことに胸を痛めるのは必至なのね。
「その後、大路郎様からあなたのことをお聞きしたのです。あなたがどれほど、あのお方の支えになられていたのかを」
「船越君が、そんなことを……?」
「ええ。だからこそ、わたくしはあなたの尽力を尊敬し、大路郎様に尽くす女として負けられない、という気持ちにさせられてしまったのです」
そこで一度言葉を切ったかと思えば、今度は右腕に装備された、キャノン砲のように巨大な銃口を向けて来る。明確な敵意の込められた視線と共に。
「――しかし、当のあなたは戦闘中に外部の言葉に流され、それを鵜呑みにすることしかできない軟弱な態度を見せた。それは、あなたをライバルとして見ていたわたくしにとっては、耐え難い侮辱と取れます」
そのドルフィレアの言葉に、私は何も言い返せなかった。トレーナーでもないただの観客の言いなりに行動するヒーローなんて、確かに軟弱者に他ならない。
「あなたは心のどこかで――『いざとなったら、いつでも彼が助けてくれる』などと思っているのではないですか? わたくしと同じAランクヒーローにもなって、まだ人に依存しなければ自らの道を歩めないのですか?」
「そ、それはっ!」
「少なくとも、わたくしは違いますわ。あのお方のためならば、例え一人でも戦いましょう。わたくしは、大路郎様に心配を掛けてしまわれるようなことは致しません。真に彼を愛するならば、そのような心配は無用です! 身を案じられるようでは、『信頼』が足りない証拠ッ!」
叱り付けるような口調と共に、銃口から猛烈な勢いで水が飛び出してきた!
私はハッとしてその場から思い切り跳び上がり、空中でフワッと一回転しつつ着地する。
よく前を見てみれば、発射された水が床に一筋の切れ目を入れているのがわかる。
――まさか、水圧カッター!? まともに食らったら、ひとたまりもないっ!
「あなたは確かに大路郎様の助けになった……しかし、あなたはそれ以上にあのお方に助けを求めているのでは? あのお方に甘えているのでは?」
「……で、でも、私は今まで船越君のためにっ!」
「だから大路郎様をものにしたいと? 今となってはあのお方に頼るしかないあなたが?」
「――ッ!」
何か反論してやろう。
そう思って口を開いても、思うように言葉が出なかった。いや、出せない。
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