暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 桜田舞帆の恋路
第3話 激突する恋心
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掲げて見せた。

「ウェイブアップ! ドルフィレアッ!」

 室内プール全体に、彼女の澄んだ声が響き渡り、左手の指をパチンと鳴らす音が聞こえた。

 すると、さっき彼女をステージまで運んで来ていたイルカが、急に空中に飛び出してきた!

「えっ!?」

 思わず目を見開き、驚愕の声を上げてしまう。
 後ろの方からも同じような叫びが聞こえたことから、船越君やお母さんも驚いていることがわかる。

 そのまま水しぶきを上げて宙を舞うイルカは、なんとその場でプロテクターに変形を開始した! どうやら、あのイルカは人工のものらしい。

 さらに、剣淵さんの真上まできた人工イルカ……が変形したプロテクターは、いきなり大量の水を螺旋状に噴き出して、真下にいる彼女の身体を渦潮のようなもので包み込んでしまう。

 やがてプロテクターが水の螺旋に包まれている剣淵さんの頭上に降下し、彼女は次々と、全身に武骨なパーツを纏って行った。

 澄み切ったハワイアンブルーの色を持つ鋼鉄プロテクターには、イルカを思わせる意匠が伺える。

 その出で立ちは、Sランクヒーローへの昇格が期待されているという噂に恥じない、荘厳なものだった。

「お待たせしましたわ、桜田様。『剣淵水族館』専属コマーシャル・ヒーロー『ドルフィレア』……遅ればせながら、ただいま参上致しました」

「――いいでしょう。腕が鳴るわ」

 「ドルフィレア」――武骨な鎧を着込んでいるようで、ところどころ覗いている太ももに腋、谷間や鎖骨がなまめかしい……うう、なんで変身後までこんな劣等感を味あわなきゃいけないわけっ!?

「では、これより試合を開始します! ルールは時間無制限! 加えて、どちらか一方の変身が解かれた段階で、試合終了とします!」

 すると、私をここまで案内してくれていた事務員さんが試合のルールを説明してくれた。
 どうやら、この人が審判を務めているらしい。

「では、始めっ!」

 事務員さん――もとい審判さんがそう叫んだと同時に、私はキッと剣淵さんを見据えて、腰のホルスターに手を伸ばす!

「先手必勝! セイトバスターッ!」

 私に引き抜かれた光線銃が放つ赤い閃光が、試合開始と同時に剣淵さん――いや、ドルフィレアを狙う。

 威力の程は船越君と狩谷鋭美との戦いで実証済みよ! まともに食らえば、あんな装甲イチコロ――

「気がお早いのですね……プールサイドで慌てられるのは、とても危険ですのよ」

「な――ッ!?」

 ――の、はずだったのに。

 セイトバスターの光線攻撃。ドルフィレアの装甲は、それを受けても傷一つ付いていなかった。

 あのラーカッサにも痛手を与えられる銃なのに……無傷!?

「この『ドルフィ
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