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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 桜田舞帆の恋路
第2話 女の闘い
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は、周囲の視線を集めた。
それもそのはず、なにせ剣淵さんはギャラリーの男性陣が揃って顔を赤くするほどの超美人。
彼女の美貌に何人もの通行人が振り返る様が、容易に想像できる。
……でも、なんだかホッとした。
こういう人となら、遠慮しないで張り合えそう。私だって、船越君が大好きなんだから!
「ところで剣淵さん、さっきから船越君のこと『大路郎様』なんて呼び方してるけど、いつからの知り合いなの?」
「路郎様には小学校の頃からお慕い申し上げておりました。他人とは違う立場故に誰も寄り付かないわたくしのために、ただ一人の友達となってくださったのです!」
なるほど、船越君らしいな。
不良になる前の彼を知ってる彼女や平中さん、文倉さんが羨ましい。
剣淵さんは子供のような笑顔で、ギューッと船越君の左腕を抱きしめた。
「大路郎様とは、いわば『幼なじみ』なのです。小学三年生に上がる頃、父の都合で海外で暮らしてきましたが、ついさきほど国際便で帰国したのですよ」
「まだ時差ボケがあるだろうに。全く、無茶する奴だな」
「あなた様のためならば、時間など些細な問題ですわ」
「へいへい」
船越君はこんな絶世の美女に抱き着かれてるのに、顔色一つ変えていない。
それほど、彼女との付き合いに慣れているんだろう。
剣淵さんを見る彼の目は、一人の女性としてより、年の近い妹を見ているような感じだった(船越君の方が小さいことを考えると、むしろ彼が『弟』のように見えるけど)。
「ようやく待ちに待った時が来たのです。いずれは、大路郎様のお母様にもご挨拶に参りませぬと!」
「ははは、結婚の申し込みでもする気か? お前、昔そんな話ばっかりしてたもんなぁ」
「はうぅっ!?」
「待ちに待った」……というのは、船越君が結婚できる年齢に達していることを指してるんだと思う。
それにしても、船越君の冗談めいた笑い方が気にかかる。もしかして、結婚の話を知らない?
気になった私は、顔を紅潮させてうろたえている剣淵さんに詰め寄り、間に挟まれている船越君に話が聞こえないようにそっと耳打ちする。
「剣淵さん、あなたが船越君に結婚を申し込みに来た――って話を聞いてたんだけど、本人には何も言ってないの?」
「あうぅ、情けない話ですけれど……大路郎様には恥ずかしくてまだなにも……」
「あちゃー、やっぱり? 船越君は鈍いから、よっぽどアピールしないと気づかないと思うわよ」
「で、でも! 明日に我が剣淵財閥が主催するクリスマスパーティーにお誘いする予定ですから! その時に改めて、想いを伝えて婚姻届に判を……って、キャー!」
小声での会話からこぼれ出た自分の計画に勝手に赤面し、
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