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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 栄響学園生徒会執行部
前編 難儀な副会長
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桜田舞帆と出会ってから、一年が経つ。
今の俺は彼女に手を引かれるように「更正」と称した雑用を任されるようになっていた。
廊下や窓ガラスの清掃に始まり、放課後の居残り作業や学年行事の段取りなど、ありとあらゆる仕事をこなしていく毎日。
俺を真人間に戻し、学生社会に復帰させるというのがその目的だ。
舞帆が持つ影響力は大きく、彼女が俺を更正させるために行動していることが知れ渡ると、周りの連中も俺の矯正について協力的になっていた。
そのおかげか、一年の頃は札付きのヤンキーとしてクラスメート達からビビられていた俺も、二年に上がった今となっては、それなりに友人に恵まれるようになっていた。
まだ完全に足を洗えたわけじゃないからか、未だに俺を警戒する人間も多いが、少なくとも不良になる以前の環境に近づきつつあるのは確かだった。
そんな俺――宋響学園二年生の船越路郎は今、放課後の生徒会室に呼び出されていた。
善良な生徒を導くための生徒会に不良の俺が呼ばれたということは、こっちにとって不利な話が来る可能性が高い。
それでも俺は先導する舞帆に付き従い、生徒会室の前に立つ。
「なぁ舞帆、何でまた俺なんだ? 別に大した問題なんて起こしちゃいないはずだけど」
「私にもわからないわ……とにかく、行きましょう。みんなを待たせちゃ悪いわ」
そう言ってガラッと扉を開き、舞帆は難しそうな顔で生徒会室に足を踏み入れていく。
俺は眉をひそめて「嫌な予感しかしないなぁ」とぼやきつつ、それに続いた。
そして、俺達を待ち受けていたのは――
「お帰りなさいませ、ご主人様!」
――メイドさんでした。
いや、何を言ってるのかわからないかも知れないが、とにかくメイドだ。
制服の上にそれっぽいドレスを着て、頭にカチューシャを付けている。
少しブロンド色が掛かったストレートヘアで、昆虫の触覚みたいに頭の両端に小さくちょこんと伸びたツインテールが特徴の、かなりかわいい方の女の子だった。
胸は――まぁ、まだ成長期を控えてる頃なんだろう。
瞳は蒼いし、目鼻立ちは美術館にあるような彫刻ばりに整ってるし、なんだか日本人離れしてる美貌だよなぁ……外国人なのか?
「結衣、会長は?」
「会長なら先程から教頭先生とのお話に行かれていますよ、舞帆先輩っ」
ニコッと眩しい笑顔で、結衣と呼ばれる少女が舞帆の質問に答える。
結衣って……普通に日本人の名前だったな。
それに、なんだか舞帆も慣れてる対応してるし。なんだよこれ、この学園の生徒会ってこの風景が当たり前なのか?
扉を開けたらメイドさんにお出迎えされるなんて、どんなサプライズだよ!
思わず一瞬、
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