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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 栄響学園生徒会執行部
前編 難儀な副会長
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両方ともかなり体格がいいが、彼らも生徒会の人間なのか?
「――あら、辻木君に田町君。仕事は終わったの?」
俺に構ってるせいなのか、心労でぐったりしている舞帆がかすれた声で呟いた。
そんな彼女を前に、一人の黒い七三分け頭の男子が顔を赤らめて口を開く。
「は、はい! 会長はまだ帰られないようなのですが、僕達は一段落しました!」
眼鏡を掛けた背の高いその男子は、はにかみながら頭を掻きむしり、彼女から視線を外す。
よほど舞帆に話し掛けられたのが嬉しかったみたいだな。
それから、彼の声はトーンこそ違えど、さっき聞いたものと同一と見て間違いない。
どうやら、俺はこの男子に叱られてしまったらしい。
「なんとまぁ〜。お楽しみの最中だったかなぁ〜?」
そんな眼鏡君とは対照的に、頭を茶髪に染めているチャラそうな第二の男子が、興味ありげに声を上げる。
メイドといいチャラ男といい、この学園の生徒会はどうなってるんだ?
「眼鏡を掛けてる子が、一年生にして生徒会副会長の
辻木隼人
(
つじきはやと
)
君。それから、あのちょっとチャラそうな子が、会計を務めてる二年の
田町竜誠
(
たまちりゅうせい
)
君よ。二人とも、お仕事お疲れ様」
「あ、あり、ありがとうございます!」
「お〜、舞帆ちゃんも船越君のご指導お疲れさ〜ん。あと、チャラ男は余計だよん」
俺に彼らを紹介しつつ、舞帆は二人の仲間をねぎらう。
田町という俺達と同級生のチャラ男は飄々とした態度でにこやかに応じ、辻木と呼ばれる真面目そうな眼鏡君は顔を真っ赤にして満面の笑みを浮かべていた。
「君が例の船越君かぁ〜。なんだ、割りと真っ当な面構えじゃん。髪の色が赤っぽくなきゃ誰も不良だと思わないっしょ」
「田町君!」
「おおっと失礼! 『不良だった』んだよね。ごめんねぇ〜、ついつい色眼鏡で見ちゃってさぁ〜」
ジロジロとなめ回すように俺を見る田町という会計さんが、思ったままの俺への評価を口にする。
しかし、それに釘を刺す舞帆の言葉にすぐに小さくなってしまった。
「ご、ごめんね? 田町君って見かけの割りに頭は凄くいいんだけど、デリカシーがちょっと……」
「いいさ。実際、そう見る人はまだ多い。これからゆっくり信用を勝ち取るから」
――そう。一年の頃に比べればずいぶんとマシになった学園生活だが、まだ敵と見る人間は多い。
あともう一年ほどは、頑張る必要があるだろう。そのための努力を、惜しむつもりはない。
だからそうフォローしつつ、俺は笑って見せるのだが――
「ふん、どうだか。またすぐに醜い本性を爆発させるに決まっている」
冷淡な口調で、辻木副会長が苦言を呈する。どうやら、俺達の溝はまだまだ深
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