暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 栄響学園生徒会執行部
前編 難儀な副会長
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 船越先輩に会うまでは秘密にしておくつもりでしたけど――いかがですか舞帆先輩っ! かわいいですか!? 船越先輩もメロメロですか!?」

「わ、私に分かるわけないでしょ!」

 ……うーん、いてて。やっと耳が聞こえてきた。
 それにしても二人とも、さっきから何を激しく言い合ってんだ? ここは口喧嘩も当たり前なのかな……。

 すると、地坂は再び俺の手を取ったかと思うと、自分の(発育途上な)胸に押し当てて、恍惚の表情でこちらを見詰めてきた。

「先輩……あたしが欲しくなりませんか?」

 ふにふにと柔らかい感触が手の平に伝わり、危うく理性が弾けそうになる。
 うっとりした顔で上目遣いまでされたら、なおさらだ。

「あ、いや、その、地坂? 手をそこに当てるのはまずいんじゃないかと――」

「『地坂』だなんてよそよそしい呼び方は止めてくださいっ! 名前で……『結衣』って呼んでください! なんで舞帆先輩は名前で呼んで、あたしは苗字なんですか!?」

「わ、わかった、結衣。だからもうその辺で……」

「ダメです! 先輩の子を授かるまで離しません!」

「なにソレ!?」

 ちらほら男を勘違いさせるようなワードを出す彼女のトークが、ますますエスカレートしていくのが分かる。
 顔がやけに赤いし……考えにくいけど、もしかして酔っ払ってるのか?

「さぁ、船越先輩……まずは誓いのキスです! 舌まで入れてこねくり回すだけだから簡単ですよ!」

 もはやちょっとエロいなんて次元の話じゃなくなってきてる。この学園の風紀はいずこへ。

「まさか酔ってるんじゃないのか? 水でも飲んで横になったらどうだ」

「水――先輩の唾液ですか!? 欲しいです! 横になる……つまりベッドインってことですよね!? ようやく先輩もあたしと子作りする気になってくださったんですね!」

「……ダメだこりゃ。反動の二日酔いがすごいことになりそうだ」

 これ以上喋らせると、酔いから覚めた後から来る羞恥心や後悔が壮絶なものになってしまうだろう。

 俺は彼女の――庶務のデスクに置かれていた、口を塞ぐのに使えそうな道具を使って彼女のセクハラマシンガントークに蓋をすることにした。

「ん、んっん、ん〜!」

「ごめんな。それ以上喋ったらこの学園がいろいろな意味で無法地帯になりそうな気がしたからさ。ちょっとだけ辛抱してくれ」

 彼女の口に詮をするかのように収まっている穴だらけのボールがなにか引っ掛かるのだが、たぶん考えすぎだろう。

「貴様のような生徒がいる時点で十分に無法地帯だぞ、船越大路郎!」

 その時だった。俺を糾弾する険しい叫び声が生徒会室に響き渡ったかと思うと、入り口から二人の男子生徒が入ってくる。

 
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