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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
番外編 栄響学園生徒会執行部
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「入りたい」とか思っちゃっただろうが!
「そして……お待ちしていました、船越大路郎先輩っ!」
すると、今度は俺に向かって満面の笑みを見せて来る。
しかも、俺の手まで握って。なんだか俺のことを知ってるみたいな言い方だけど……?
「あ……お、おお、よろしく」
「彼女は一年生の
地坂結衣
(
ちさかゆい
)
。生徒会の庶務を務めてるの。日本人とイギリス人の混血――いわゆるハーフってところね。オタク気質で、ちょっとズレたところのある娘だけど、とってもいい子だから――仲良くしてあげて」
いきなり白くて綺麗な手に握られてドギマギしている俺に、舞帆が彼女について説明を入れてくれた。
心なしか、なんだかその顔がむくれてる……ような気がするんだけど。
その理由を考えあぐねていると、俺の手を取る地坂が突然、甘い息を吐いて頬を桃色に染め出した。
「ああっ、やっぱり先輩の手ってすごい! 硬くて力強くて、焼けるように熱いっ……!」
「いや、別に俺の手って熱くもなんともないと思うんだけど」
意味のわからないことを口にしながら、荒い息遣いで俺の手を取って身もだえる彼女に、思わず首を傾げてしまう。
この奇妙で色っぽい仕草も、ここじゃ当たり前なんだろうか?
そう思ってさっきみたいに教えてもらおうと舞帆に目配せした瞬間、彼女は顔を真っ赤にして俺の顔面をストレートでぶち抜いた。
思わず衝撃で二、三歩引き下がる。
「なに会ったばかりの女の子にセクハラかましてるのよっ!」
「ぶふぁ!? そ、そんな! 俺はなにもしちゃいない!」
「なんてことするんですか、舞帆先輩っ! 私の運命の人にっ!」
「う、運命の人ぉ!?」
殴られた衝撃で脳が振動し、意識が揺らぐ。
別に気絶するような威力でもないんだが、ショックでふらふらしてしまい、俺は舞帆と地坂の会話が聞き取れずにいた。
「な、な、なによ運命の人って!? いきなり初対面の男の子になにを言ってるの!?」
「初対面じゃありません! あたしは去年、船越先輩に救われたことがあるんです!」
「ええっ、そうなの!?」
「はい! あの時……原宿で怖い男の人達に連れていかれそうになったあたしを、船越先輩が助け出してくれたんです! 印象は今と違うけど、はっきり顔も覚えてるんですよ! あたしを助け出してくれる瞬間に握ってくれた手が、本当に痺れるように熱くて……! しかもその時、先輩が宋響学園の生徒さんだと知って――」
「……まさか、船越君が目当てでここに進学してきたってこと!? 今までそんなこと一度も言わなかったのに!」
「無論です! あたし、船越先輩に喜んでもらいたくて、男の子が大好きな『サブカルチャー』を目一杯勉強したんですよ!
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