暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第24話 騒がしい平和
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握している。
 ひかりは、狩谷が罪を償って更正すると宣言したとき、快く彼女を許し、和解したという。

 それでやっと上手くいくと思えば……なんなんだ、この状況は。
 ていうか、そろそろ離してくれ……い、息がッ……!

「……ひかり、アンタが船越を好きだって気持ちはわかる。それはアタシも同じだから。こいつのことを知るまで、アタシはアンタの恋路を応援してやろうって思ってた。けどさ……やっぱり好きになっちゃったら、こうするしかないわよッ!」

 一瞬だけ解放され、狩谷がなにかを喋っている間に呼吸を整えていた俺だったが、彼女がなにかを叫んだ瞬間、再びそれを封じられてしまった。

 ――しかもそれは、とても柔らかく暖かい、不思議な口封じだった。
 俺の唇を包み、そこから温もりを伝えて来る。

 その時だけは、耳に響いて来る舞帆やひかりの悲鳴が、気にならなかった。そのくらい、心地好い雰囲気を感じていた。

 それが何だったのかを把握する前に、狩谷は真っ赤な顔で俺に微笑み、「もう時間だから」と言い残し、蹴破った窓から飛び降りて行った。

 わけがわからず、呆然としている俺。

 そんな俺を、殺気立った眼光で睨みつける、三人の少女。

 そして、生暖かい視線で見守る、二人の母。

 次の瞬間、病室に一人の少年の断末魔が轟いたのは言うまでもあるまい。

 ――俺が、なにをしたっていうんだよ?

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