暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第21話 ラーカッサの猛威
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れる橋を渡りきったハト野郎が一人だけ合格、となったわ。アタシは落ちる途中で木の枝に引っ掛かって奇跡的に助かったけど、所沢は命に関わる重傷を負った。それで二年間の療養を余儀なくされたのよ」

 ――な、なんなんだ、それ……!

 想像することが恐ろしくなるほどの、悲劇。狩谷の話が本当なら、ヒーローライセンスの資格試験で命に関わる不正が行われていたことになる。

 確かにヒーローは自ら危険に飛び込んでいくもの。

 命の危険を乗り越える力は必要だろうが、試験の厳しさを差し引いても、このやり口は余りにも残酷過ぎる。
 試験にかこつけて殺そうとしてるようなものじゃないのか。

「アタシはもちろん猛抗議したわ。アタシのように、ヒーローを目指して頑張っていた所沢のためにも。でも、評議会側は全く取り合おうとしなかった」

「……マジなのか、それ」

「そして出てきたのが、当時試験官だった、あの桜田寛毅ってわけ。あいつは試験のやり直しと所沢の治療を訴えるアタシにこう言ったのよ」

 狩谷は憎しみで歪んだ顔で俺をまっすぐ見据え、怒りを一切隠さずに吐き捨てる。

「『桜田家の嫡子である寛矢が、試験に一度で合格するのは必然でなければならない。どこの馬の骨とも知れない小娘や薄汚い大男がヒーローを騙るなど、言語道断だ』……ってね。あいつはその後、『頑張りを讃えての特別措置』とか言って所沢をスーパーヒーロー評議会の管轄下の病院に入れて、善人ぶりを世間にアピールしたのよ。実際に所沢が受けた治療はヤブ医者がやるような荒療治だった」

「……そんな」

 そういえば、弌郎に捕まった舞帆を助けに行った時に、評議会管轄の病院で包帯だらけの大男を見たことがあった。
 あいつが所沢だったのか……?

「アタシは評議会の生態科学部門に潜入して、バッファルダとラーカッサの能力を手に入れたわ。この世の、真の悪を討つためにね。アタシの能力は、『自信』の強さに比例する。絶対にアタシが正しいんだという自信に!」

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