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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第21話 ラーカッサの猛威
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には恨みがあるらしいな。
「いいわ。アタシにここまで食い下がってきた根性に免じて、教えてあげる。アンタが命懸けで守ろうとしてるあいつらが、どれだけ腐ってるかをね……」
「……なに?」
俺が顔を上げると、狩谷は背を向けて、今までの気性の激しさとは対照的な静けさで、自らの過去を語る。
俺が病院で、舞帆と平中にひかりのことを話したように。
「アタシは小さい頃、両親に捨てられて孤児院に入った。周りは家族が事故や病気で亡くなったから仕方なくってのがほとんどだったけど、アタシは親に見捨てられてそこにいた。だから、何かといじめられたわ。『お前が悪い子だったから、捨てられたんだろ』ってな」
「――そんなことがあったのか」
「そんな時、いつだってアタシを守ってくれる娘がいた。その娘は周りがどんなにアタシをバカにしても、傍にいてくれた。――アタシなんかのために、友達になってくれたんだよ」
孤児院……俺はひかりのことを思い出し、胸を痛めた。
「アタシは、どうしてもその娘を守りたかった。大切な友達を。だから、三年前にその娘が望まない子供を妊娠して、それでも好きな人のために産みたいって言った時、アタシは決めたんだ。ヒーローライセンスを取って、この孤児院の専属ヒーローになる! そして、あの娘も、あの娘が産んだ子も、アタシが守り抜くんだって!」
「……!?」
――既視感が、ある。
望まない子供。それでも産みたい。
まさか……!?
驚く俺を完全放置して、彼女は話を続ける。
「アタシは、ヒーローライセンスの試験に臨んだわ。試験には、あのハト野郎と所沢が同席していた。アタシは必死だったわ。あの娘を守るため、絶対に受からなきゃってさ」
ハト野郎――ラーベマンこと桜田のことか。
「……それで、落ちたのか?」
「――落とされたのよッ!」
俺の発言に激昂し、狩谷は鬼のような形相で、俯せに倒れていた俺の顔を近くを踏み付けた。
「最後の試験だったわ。身体能力を問うために、崖から崖まで繋がった懸け橋を、橋自体が崩れ落ちる前に渡り切る、っていう内容だった」
「はあ……!? そんな無茶苦茶な試験、聞いたことないぞ!」
俺もFランクの試験を受けたが、そんな危険過ぎる試験概要は聞いたことがない。
「そうよね、アタシもそう思ったわ。あの時点で気付くべきだったのよ。あの試験が、『出来レース』だったってことに」
「出来レース?」
「その最終試験に残ったのは、アタシとハト野郎と所沢の三人。アタシも所沢も、あのハト野郎よりは速く走れたわ。――向こう側の崖から橋が壊されるまではね!」
「――ッ!?」
「アタシと所沢は転落して、結局は本来通りのペースで崩
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