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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第18話 もがれた翼
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あちこちが破壊されている。
水道までもが一部損害を受け、水が漏れ出していた。
しかし不幸中の幸いか、肝心の校舎はまだ壊されてはいない。それで安心できるわけでもないが。
「舞帆! どこだ、舞帆!」
一番多く瓦礫が転がっている場所で、俺は彼女の名を叫ぶ。
強い硝煙の匂いに誘われてきたこの場所が、最も「戦場」と呼ぶに相応しい惨状だったからだ。
ふと、うめき声が耳に入ってくる。しかし、それは明らかに舞帆の声ではなかった。
「うっ!?」
声の聞こえた方に目を向け、俺は目をしばたかせる。
そこには、瓦礫に足を挟まれたまま動かない、校長がいたからだ。
俺に難癖を付けてきた奴だとか、そんなことはこの際関係ない。
俺は彼の近くまで駆け寄ると、ラーカッサとの対決まで温存する気でいたなけなしの体力を使い、瓦礫を退かしてやった。
既に骨折してしまっているようで、解放されたにも関わらず、校長はそこからピクリとも動けずにいた。
それでも意識はあるらしく、憎々しげに俺を睨み上げる。
「……何をしに来た。私を助けて得意になったつもりか!」
「助けてもらっといて早々に言うことがそれかよ……ま、いいか」
彼の対応は相変わらずだが、不思議だとは思わない。
あそこまで言いたいことを言っておいて、今更素直にお礼なんて言う気にはならんだろう。
大人としてそれがどうなのかはともかくとして。
そんなことより、俺には大事なことが山積みなのだ。
「校長先生、舞帆と桜田は? ここが一番壊されて新しいと思って来たんだが」
「ふん、二人の活躍を見に来たのか? あの子達ならグラウンドの方へ向かった」
二人の子供の居場所を指差す父親の顔は、自信満々のようで、どことなく不安げでもあった。
――なんだかんだで、やっぱり心配だったんだろうか。
桜田家のプライドってやつのために戦いに引っ張り出しておいて、今頃になって良心を抱えだしやがったか。
俺は不信感を隠さない目で校長を一瞥して、グラウンドへ行こうと踵を返した。
――そこへ。
「うわあああっ!」
轟音と共に激しく瓦礫が飛び散り、俺の足元を施設の残骸がえぐっていった。
その衝撃に流されるように飛び出してきたのは――赤いスーツを纏った翼のヒーロー、ラーベマンだった。
――いや、桜田には悪いが、ここは「翼のヒーローだった」と形容させてもらおう。
全身と翼のようなマントを刃物か何かで切り裂かれ、最早スーツの色か血の色か判別が付けられなくなっているその姿には、バッファルダと戦った時のような優雅さは微塵も感じられず、見るに堪えないほどの痛々しい様に成り果てていた。
「桜田……!
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