暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第12話 最低最悪の兄弟喧嘩
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 ――奴の着ている服の胸に、小さなスイッチのようなものと、「スーパーヒーロー評議会」の文字が――!

「お前、まさか……!」

「さっすが名門・宋響学園。頭が切れるね〜。ご名答だ、クソガキ」

 瞬く間に顎を蹴り上げられ、顔面に痛烈なストレートを食らう。既に俺の顔は、痣と血でグチャグチャに成り果てていた。

「評議会で働いてるねーちゃんをイイコトして虜にしてやったらよぉ、いろいろ貰ったんだわ。ヒーロー能力とかな」

 俯せに倒れ伏した俺の後頭部を、幾度となく踏み付けて来る。

 辺りには俺がやった時以上に血が飛び散り、視界は既に、目に映る赤色が俺の髪なのか血なのか、判別できないほどに混濁していた。

「まー、難しい考察諸々は任せてるけどよ、これだけははっきりしてるぜ。お前は一生、俺には勝てねーッてわけだ!」

 最後に決められた、強靭な拳から放たれるアッパーに顎を打ち抜かれ、俺はさらに多くの血を吐いた。

 これ以上出るのか? と思うくらい、俺の身体からは血が流出していた。

 俺の意識はほんの僅かな間だけ、そこで寸断されてしまった。

 △

 女を乗せて走り去る、弌郎の車。

 その行き先は、ある程度は予想がついていた。

「多分……ここから近くにある……病院、だな」

 血達磨になった身体を、壁にもたれさせながら進ませていく。
 どうやら、骨が数本イッてると見ていい。

 ヒーローライセンスの持ち主は、評議会管轄の病院を利用できる。

 ライセンス所有者はもちろん、その親族でも使えるようになってるわけだ。
 弌郎はヒーローライセンスこそ持っていないものの、関係者を篭絡してヒーロー能力を得ている。

 ライセンスの問題なんて、なんとでもなりかねない。

 奴らが邪魔をされないような場所であの女を愉しむつもりなら、関係者を丸め込んでから、病院で「行為」に及ぶことが予想できる。

 別に確信を持てるほどのものじゃないのはわかってる。
 それでも、他に行く当てがない以上、俺は進む他なかった。

「これ……以上、好きに、させるかよ!」

 病院前までたどり着いてみれば、案の定、奴らのワゴンカーが停めてあった。頭隠して尻隠さず、とは正にこのことだ。

 ふと、俺は向こうからここに勤めている看護婦らしき連中が来ていることに気付き、慌てて身を隠した。

 彼女らが血みどろになっている俺を見付ければ、なにはさておき医者を呼ぶだろう。

 最悪、ここはスーパーヒーロー評議会管轄下だからと他の病院まで搬送されかねない。そうしたら、女の救出どころじゃなくなってしまう。

 なるべく血痕を残さないようにしながら、俺は外の窓から弌郎達を捜す。

 スーパーヒーロー評
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