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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第11話 桜田舞帆との出会い
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ても、どうにもならないだろうが。
自分自身の言い分に耐え難い理不尽を覚え、俺は正義を信じて疑わない、純真な彼女の瞳に目を向けた。
その澄んだ光は、俺には余りにも眩し過ぎた。汚され、砕かれ、朽ち果てた俺には。
俺がどうしようもなく、あの残飯に匹敵するほどに薄汚れた存在とも知らず、哀れな慈愛の天使は(無意味な)救いの手を探す。
「うーん、やっぱり……うん、よし! 私の家に行きましょう! 助けてくれたお礼もあるし、お昼くらいご馳走できるわ」
「どういう思考回路でそんな結論が出てくんだよ」
呆れるようにこれみよがしにため息をつくが、当の女は気にしていない様子だった。
俺の話を全く聞こうともせず、「ちょっと連絡してくるから待ってて!」と一人でどこかへ走っていってしまった。
「なんだっつーんだよ……」
うっとうしいような、嬉しいような、厚かましいような、ありがたいような……微妙な心境に、俺の心は揺さぶりを掛けられていた。
「いいことしたからお礼が貰えるって、いい気にでもなってんのかよ、俺は……」
それからしばらく待っていたが、彼女はなかなか帰ってこない。
電話くらいで三十分も掛かるわけはないし、途中で自分の過ちに気付いてさっさと帰っちまったんだろうか。
納得したようながっかりしたような……またしてもそうした、まとまりのない気持ちになっていると、女とは違う足音が近付いてきた。
彼女のそれよりも重く、力強い。その音の主には、見覚えがあった。
「よお、さっきはやってくれ――」
言うより早く、俺はノコノコと顔を出してきたさっきのヤンキーの髪を掴み、顔面に膝蹴りを叩き込んだ。
挑発的な目付きとあの時のやり取りからして、俺の得になるような話じゃないのは明白だからだ。
「ひぎぁッ! て、てめ……!」
「んで? 俺に何か用かよ。女に絡んだ時みてぇの仲間はどうした」
整理のつかない自分の気持ちに苛立ってる中での、ヤンキーの再来は俺に八つ当たりの機会を与えたようだ。
しかし、こいつはレベルの違いを見せ付けられてなお、ニタリと薄気味悪く笑っている。
「へへへ、どうしたも何も、いつも通りさ!」
「いつも通り? ――クソッタレが!」
俺は鼻血を垂れ流しているそいつを投げ捨てて、女の向かった先へ走った。
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