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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第10話 初恋の思い出
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路郎ちゃん。青春ハッスルしてるかい?』
いつもと変わらない、軽薄な声で俺の耳をつんざく。
本当ならいますぐ切りたいところだが、それではわざわざ電話に出た意味がない。
「御託なんていらない。何の用だよ!」
『まーまーマーマレード、そういきり立つなよ。お前の絶倫じゃあ彼女だってブッ壊れちまうだろ』
「彼女……? ひかりのこと、言ってんのか!?」
すると、俺の怒号に反応するかのように、誰かがすすり泣く声が聞こえてきた。かすかだが、確かにこの声――間違いない。
「なんでひかりがそこにいるんだ! 答えろ!」
最も恐れていた事態が、考えたくもなかった結末が、徐々に真実味を帯びていく。
『んー、いやまぁ、なんつーかさぁ』
そこで一旦言葉を切ったかと思うと、電話から聞こえよがしにひかりの泣き声が響いてきた。
『ごめんなさい、ごめんなさい、大路郎君、ごめんなさい!』
泣き叫ぶひかりの悲痛な声が、俺の耳から全身へと訴えかけてくる。その瞬間、俺の体中に電流がほとばしった。
涙声な余り、正確にはそれくらいしか聞き取れなかったが、状況ははっきりした。
――弌郎が、ひかりを泣かせやがった!
「弌郎ォッ! てめぇ、どこにいる! ひかりに何をした、彼女がなんで泣いてんだァッ!」
逆鱗に触れられたように、俺はここが学校であることも忘れて叫び散らす。
思えば、クラスが違うとはいえ、今日は一度もひかりに会っていない。何か変だと、気付くべきだったのに!
『だぁーから、んなキレんなっつーんだよ。孕ませちまっただけだって』
その言葉で、俺の心は冷水を被せられたマグマのように、一瞬にして固まってしまった。
「は……は、ら、ま……」
『おぉ、そうなんだよ。んでな? これからできちまったガキを堕ろしに行くとこなんだ。心配ねぇぜ? その金くらい俺が奮発してやっからよ。ひかりちゃんの方は、ガキができたことがバレて入学取り消しになっちまったみてぇだけどな』
まるで土産話のように楽しげに話す実兄の声が、俺の心に幾度となく突き刺さる。槍で何度もめった刺しにされるような感覚だ。
『実は前々から声は掛けてたのよォ〜。顔はかわいいし、胸はあるし。嫌がってるみてぇだが、断りきれねぇって感じだなぁ。何でかわかるか?』
「……そ、そんなこと……」
『お前の兄貴だからに決まってんだろォ!?』
「――!?」
俺の心は、更にその一言という巨大な斧で切り裂かれた。
『俺がお前の兄貴だって知ったらよぉ、嫌がってたのに段々と従順になったんだよ。無下にしたら路郎君に嫌われちゃう〜ん、ってなァ!』
「……そ、そんな、そんなのって!」
強姦は、女
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