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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第10話 初恋の思い出
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まさに幸福は絶頂期を迎えていた。
そして、俺は決めていた一つの挑戦に臨もうとしている。
もし受かったら――名前で呼び合えたら――俺、告白するんだ。彼女に。
それが危険な賭けだとはわかっていた。ここまで行っておいて、もしフラれたら全てが水の泡。
だが、今なら行けそうな気がしていたんだ。そうでなくても、この気持ちを抑える余力は、もう残されてはいなかった。
「大丈夫、きっと、大丈夫だ」
文倉――いや、ひかりをメールで呼び出し、体育館裏を待ち合わせ場所とした。
『君に伝えておきたいことがある。体育館裏へ来てほしい』。
我ながら陳腐な文章だ。
でもきっと、俺と同じように卒業生のバッジを付けたひかりが、来てくれる。そう信じていた。
約束の時間。約束の場所。全て間違いはないはずだった。
しかし、彼女は来なかった。
――なんだ? やっぱり性急過ぎたのかな。
やはり焦り過ぎたのか……そう後悔の念が込み上げてきた時、俺の携帯がメールの着信を知らせようとズボンのポケットの中で暴れ出す。
取り出したところで、俺はそこに表示された発信者の名前に目を見開いた。
「ひかりからだ……」
どんな内容だろう。俺の用を察して、恥ずかしがってメールで返事しようってとこなのか?
そんな考えが過ぎった時、再び俺の体に緊張が走った。
震える指で、恐る恐る操作していく。着信された、ひかりからのメール。
それを意を決して開くと、
『今までありがとう。さようなら』
とだけ、淡泊に書かれていた。
「なっ……!?」
言葉が、出なかった。
さようならって――なんだよ!? 俺、まだ、何も言ってない。好きだって、言えてないッ!
納得が行かず、俺はそんな焦燥を胸の内に抱えながら『どうしたの?』と返信する。
しかし、いつまで経っても返事はない。
――ひかりだって、宋響には受かったはずなんだから、さようならだなんて、ありえないだろ!
やっぱりアレか、俺なんかとは付き合えないってことか!? それとも、突然の引っ越しとか!?
……その時、またしても携帯が着信を知らせる振動を俺に伝えてきた。
一瞬ひかりからの返信かと期待していたが、この着信音は電話のものだ。
握りしめた携帯を開き、発信者の名前を見る。
そこで、目を疑った。
「な、なんで弌郎から……!」
このタイミングで弌郎から電話が掛かってくる。
その意味は考えなかった。考えたくはなかった。
目に浮かんだ真相の姿を必死に掻き消し、俺は敢えて通話に応じる。ひかりとは関係ないのだと、自分に確信を与えるために。
『よぉ、大
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