暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第5話 学園に迫る脅威
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鼻を鳴らして明後日の方向へと突進し、立ち去っていく。

 「今のうちに、青春を謳歌しておけ」とだけ、言い残して。

 △

 学園の受けた損害は小さくはなく、その日の授業は中止となった。
 この戦いは学園中の話題となり、ヒーロー志望の少年達はそれに夢中となっていた。

 最初に襲撃を受けて負傷した柔道部の面々は舞帆の尽力が功を奏して、大事には至らずに済んだ。
 笠野も迅速に救急車に連絡したりと、手を尽くしていたらしい。

『お疲れ様ね。まぁ、戦果としては上出来だったわよ』

「角一本へし折ったぐらいで上出来とは、甘い基準だな、おい」

『あら、バッファルダの強さはBランク並よ? Fランクのセイントカイダーにしてはかなりの大戦果じゃないかしら』

 ……そう。パワーはあれど、致命的な「頭の悪さ」と「素行」の悪さが災いしてか、俺のヒーローランクは最低辺のFランク。

 まあ、それだけが理由ってわけでもないんだがな。

 俺は事後処理を達城に任せると、地下室からこっそりと地上に上がる。
 学園から出ると、笠野と話し込んでいた舞帆が大慌てで駆け込んできた。

「船越君! 大丈夫だった?」

「でなきゃ生きてここにいねぇだろ。そっちこそ、もう平気なのか?」

「う、うん、まあね。セイントカイダーが来てくれたおかげよ」

「セイントカイダーのおかげ……ね」

 ため息混じりに、俺は自分の学園を振り返る。

 頭は悪い、優等生には心配かける、そのくせヒーロー気取りで大暴れ……全く、最低のヒーローだよ。

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