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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第2話 船越大路郎と桜田舞帆
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う。
まあ、敬遠してるのは俺たちみたいな落ちこぼれの連中くらいなもので、Aクラスあたりになると、羨望の的なんだそうだ。
「生徒会長から、今日の午後までに生徒会室を片付けておくように頼まれてるのよ。……だからあなたも手伝って」
「あのさ、俺は部外者なんだが」
そんなもんは自分で解決してもらいたい。
なんとも他人任せな書記様ではないか。……と、逃げようと背を向ける俺だったが、
「――待ちなさいッ!」
部屋の一番奥にいたにも関わらず、ほんの数秒で追い付かれ、後ろから取り押さえられてしまった。
「あなたの更正は、まだ終わってないんだからねッ!」
俺が言うことを聞かないことに腹が立つのか、その顔はほんのりと赤くなっている。
これが怒りのボルテージか。
元不良というハンデを抱える俺にとって、「更正」という言葉は天敵である。
理不尽な仕事であっても、「更正のため」と大義名分を立てられるだけで、その場で服従姿勢になってしまう。
「ほら、あなたの将来のためなんだからね! シャキッと働きなさい!」
「……へいへい」
山積みになった書類を、本棚に押し込んでいく。
チョロいようで、これがなかなか難しい。
「あっ、ダメでしょ! これはここ、それはそこ!」
書類ごとのジャンルの区分けはかなり複雑で、しかも似たような題ばかり。生徒会の人間じゃなきゃわからんだろ、コレは。
「ああもう、その書類はこっちだってば!」
俺の肩を掴んだり背中を押したりと、彼女は直接俺を動かそうとする。
効率が悪い上に、これじゃ俺が彼女の運転するクレーン車みたいじゃないか。
それに、何か手以外の感触も伝わって来る。これは――
「顔を埋めたら前が見えないんじゃないか」
「……バ、バカ!」
慌ててのけ反る彼女の顔は真っ赤に染まり、目が泳いでいる。
そのまま後退したところで、今度は踵を床に落ちていたファイルに引っ掛け、尻餅をついてしまった。
「きゃあ!」
「お、おい」
尻をさすりながら眉間にシワを寄せる舞帆。
起こしてやろうかと手を差し延べるが――
「あ、ありが……ッ!」
俺が差し出した手を握る瞬間、何かに気付いたように手を引っ込めると、尻餅の拍子に開いていた脚を閉じ、更にその麗顔は紅潮した。
「何だよ?」
「み、み、見た……?」
「まぁ、チラリと」
「――!」
その瞬間、ガバッと立ち上がった彼女は制服のスカートを抑えながら、恥じらいと怒りをないまぜにした眼光で俺を睨みつける。
女の子が男を睨んだって気迫に欠けるのが普通だが、俺は舞帆と同じくらいの身長しかないので、結構迫力があったりする。
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