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落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第1話 学園のスーパーヒーロー
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助けに来たといっても、こんな怒号と悲鳴が渦巻く戦場のど真ん中に晒されては、不安にもなるだろう。

 その時、その女子生徒の喉にキラリと短い刃が光った。

「へ……へへへ! もうここまでだぜ、ヒーロー気取りが!」

 さっきの一撃から運よく逃れた奴がいたらしい。

 思わぬ奇襲で取り乱したら、何はさておき襲い掛かるものだが、こいつの場合は今の一振りを目の当たりにして却って冷静になったらしく、女子生徒を人質に取る手段に出た。

「オラァ! この女が惜しいんなら、そのバカでけぇ剣を寄越しな!」

 月並みな台詞を吐き、奴は武装解除を要求してくる。
 「やれやれ」と首を左右に振り、俺は剣を握る力を緩めた。

 言うことを聞く気になった……そう思ったんだろう。
 俺から剣を奪うことに夢中になったのか、女子生徒の首からナイフが離れた。

「これが欲しいんだろ、持ってけ」

 気の抜けた声でそれだけ言うと、俺は剣を一気に握りしめ、振りかざす。
 慌てた男は再び人質にナイフを向けようとするが、それよりも速く、投げ飛ばした俺の得物が奴の刃物を弾き飛ばした。

「落っことすとは、うっかりさんだなぁオイ!」

 男が落としたナイフを拾おうとした時には、俺はもう充分に距離を詰めていた。
 ちょこっと小突く程度の力加減の裏拳で、男は白目を向いてぶっ倒れた。

「さて……俺がなんなのかって話だったよな」

 地に伏した生き残りに歩み寄るに連れて、その顔色は蒼白になっていく。
 俺はその場に腰を下ろし、俯せのまま憎しみと畏怖の視線で俺を見上げる男に、軽く自己紹介した。

「生徒の手により裁くべきは、世に蔓延る無限の悪意……『生裁戦士(せいさいせんし)セイントカイダー』。宋響学園(そうきょうがくえん)を守る、正義のスーパーヒーロー……だったりする、かな」

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