681部分:第九十七話 降臨への儀式その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第九十七話 降臨への儀式その九
「そのうえで魔神達が護れ。四騎士達もだ」
「はっ、それでは」
「今より」
「聖域の者達を迎え撃ちましょう」
「我等全ての力で」
「そしてだ」
アーレスがあらためて告げてきた。
「わかるな」
「はい、無論です」
「それは」
「ここからはじまるのだ」
それがアーレスの言葉だった。
「私の時代がだ」
「はい、その通りです」
「アーレス様の時代は今からはじまります」
「いよいよ」
「破壊と永遠の闘争が支配する世界」
それこそがアーレスが理想とする世界であった。
「それが今こそだ」
「その通りです。それでは」
「我々はその為に」
「喜んで戦いましょう」
「期待しているぞ」
またであった。
「戦っていくぞ。いいな」
「それでは」
「聖闘士達をこのトラキアで」
こうしてであった。アーレスの帰還を受けた彼等は極限までその士気をあげていた。そうしてそのまま彼等を迎え撃つのであった。
その時だ。聖域でもだ。シオンが意を決していた。
「よし」
「いよいよじゃな」
「そうだ」
まさにその通りだというシオンだった。
「我々も出る」
「ではわしもじゃな」
「そこにいてもらう」
童虎への言葉だった。今は彼等はまたそれぞれ思念で話をしていた。
「いいな、それは」
「わかっておる。どのみち向こうから来る」
「その通りだな。では私はだ」
まだ立ってはいない。しかし自ら言うのだった。
「あの者達を連れて行く」
「そうか、あの者達をじゃな」
「全員だ」
そして全ての者をだというのだ。
「連れて行くことにしている」
「それが妥当じゃな」
「いいというのだな」
「むしろそうしなくてはならん」
それは絶対だという童虎であった。
「この戦いはじゃ」
「最後の、そして最大の戦いになる」
彼はそれを既に見ていた。
「だからこそだ。私もまただ」
「あの方と同じくじゃな」
「戦う。いいな」
「そうするがいい。ではじゃ」
「うむ」
「勝利を手にするのじゃ」
童虎が告げるのはこのことであった。
「よいな」
「わかっている。さもなければこの世はない」
これもわかっていることだった。
「アーレスの支配する世界では人は生きられはしない」
「強い者だけが生き残りそこには法はない」
「戦いこそが法だ」
それがアーレスの世界だというのである。
「そうした世界にはだ」
「何があろうとも勝たなければならんな」
「だからこそだ」
意を決した言葉が続けられていく。
「行く」
こうしてであった。シオンはその玉座から立ち上がった。今こそ最後にして最大の戦いがはじまろうとしていたのだった。アーレスは遂にこの世界に戻った。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ